第21回 言語聴覚士国家試験 第77問
器質性構音障害第21回
歯茎音の構音位置が後方化し、呼気が口腔正中から流出するのはどれか。
- 1.声門破裂音
- 2.側音化構音
- 3.口蓋化構音 ✓
- 4.鼻咽腔構音
- 5.咽頭破裂音
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 口蓋化構音
口蓋化構音は、本来歯茎で構成されるべき音(/s/, /z/, /t/, /d/など)が、より後方の硬口蓋で構成される障害です。その結果、構音位置が後方化し、呼気は口腔正中から流出します。これが問題の定義と合致します。
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【各選択肢の解説】
1. 声門破裂音
❌ 誤り。声門破裂音は、本来の構音位置で声門閉鎖が先行し、破裂的に開放される障害です。呼気の流出経路(正中 vs. 側方)とは無関係な現象であり、構音位置の「後方化」でもありません。
2. 側音化構音
❌ 誤り。側音化構音は、/s/や/t/などの音が側音化し、呼気が側方(頬側)から漏出する障害です。「口腔正中から流出」という条件に相反します。むしろ側方漏出が特徴です。
3. 口蓋化構音
✅ 正しい。歯茎音(例:/s/→シャ行的な「し」)の構音位置が硬口蓋へ後方化し、呼気が口腔正中から流出する典型的な器質性構音障害です。構音位置の後方化と正中流出という2つの特徴を完全に満たします。
4. 鼻咽腔構音
❌ 誤り。鼻咽腔構音は、本来口腔で構成すべき音が鼻咽腔で構成される障害(例:口蓋帆裂による/p/, /b/, /k/の鼻音化)です。後方化ではなく、別経路化です。
5. 咽頭破裂音
❌ 誤り。咽頭破裂音は、本来の構音位置がさらに後方の咽頭で構成される障害です。確かに「後方化」の要件は満たしますが、呼気が「正中」ではなく咽頭全体から流出する点で異なります。また、より稀で重度の障害です。
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【試験対策ポイント】
器質性構音障害(構音位置の異常)の分類と特徴
| 障害名 | 構音位置 | 呼気流出経路 | 原因例 |
|---|---|---|---|
| **口蓋化構音** | 歯茎→硬口蓋(後方化) | 口腔正中 | 歯列不正・構造異常 |
| **側音化構音** | 本来位置のまま | 側方(頬側) | 舌の側方偏位・舌小帯短縮 |
| **鼻咽腔構音** | 口腔→鼻咽腔 | 鼻腔 | 口蓋帆裂・軟口蓋麻痺 |
| **咽頭破裂音** | 本来位置→咽頭(極度後方) | 咽頭 | 稀な重度障害 |
重要な区別法:
- 「後方化」と「正中流出」の両方を満たすのは「口蓋化構音」だけ
- 側音化との主な違い:側音化は側方漏出(正中ではない)
- 鼻咽腔構音との区別:正中 vs. 鼻腔