STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第178問

器質性構音障害第28回
口蓋裂の初回手術前に行うのはどれか。
  1. 1.哺乳指導 ✓
  2. 2.構音訓練
  3. 3.口唇閉鎖訓練
  4. 4.ブローイング訓練
  5. 5.バルブ型スピーチエイドの調整

正答:1番

解説
# 第28回 第178問 解説 ■ 正答:1番 — 哺乳指導 口蓋裂の初回手術は通常、生後3~6ヶ月の**口唇形成術**です。この時期の乳児は栄養摂取が生命維持の最優先課題であり、哺乳指導はサーボモーター口蓋裂児の親が最初に受けるべき支援です。新生児期から手術までの間に、適切な哺乳方法(搾乳・特殊な乳首の使用・哺乳瓶の角度・ガーゼの活用など)を保護者に指導し、誤嚥や栄養不良を防ぎます。構音訓練や他の訓練は、言語発達が始まる1歳6ヶ月以降に段階的に開始するため、初回手術前の目標ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 哺乳指導 ✅ **正しい。** 口蓋裂乳児は口蓋が開いているため、通常の哺乳方法では鼻への逆流・誤嚥・栄養不良が生じやすい。新生児期から手術までの間に、保護者に対して搾乳・特殊乳首の使用・体位工夫・ガーゼの活用などを指導することが最優先課題である。 2. 構音訓練 ❌ 誤り。構音訓練は言語発達段階(1歳6ヶ月以降)に開始する。新生児期の乳児に対して音韻発達を促す訓練は発達段階に適さない。 3. 口唇閉鎖訓練 ❌ 誤り。口唇閉鎖訓練は発達段階(1歳以降)に開始される。新生児期から口唇の随意的運動訓練を行うことは発達的に不適切であり、哺乳という生命維持の課題を優先すべき。 4. ブローイング訓練 ❌ 誤り。ブローイング訓練(息を吹く訓練)は運動機能訓練として後期に導入されるもので、初回手術前には行わない。新生児期の乳児には発達的に不可能。 5. バルブ型スピーチエイドの調整 ❌ 誤り。スピーチエイドは鼻咽腔閉鎖不全による開鼻声を補正する音声補助装具だが、言語発達後(通常3歳以降、手術完了後)の使用を想定しており、初回手術前には不要。また新生児には装用不可。 --- 【試験対策ポイント】 **口蓋裂の段階的な対応(時系列で暗記)**: | 時期 | 対象・課題 | 主な介入 | |---|---|---| | 新生児~手術前 | 哺乳・栄養確保 | **哺乳指導**(保護者教育)・搾乳・特殊乳首 | | 生後3~6ヶ月 | 手術前準備 | 口唇形成術 | | 生後12~18ヶ月 | 手術後第2段階 | 口蓋形成術 | | 1歳6ヶ月~ | 言語発達期 | 構音訓練・言語訓練開始 | | 3歳以降 | 遺残症状対応 | 開鼻声への**咽頭弁形成術**またはスピーチエイド調整 | **重要な区別**: - **新生児期の優先事項** = 生命維持(栄養・呼吸) - **言語聴覚士の介入時期** = 言語発達段階(1歳6ヶ月以降) 口蓋裂児の初期対応は「医学的管理&親への指導」。音声言語訓練は、医学的安定化
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