STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第85問

嚥下障害第21回
嚥下障害の直接訓練(経口摂取訓練)における効果指標でないのはどれか。
  1. 1.食物形態
  2. 2.経口摂取量
  3. 3.食後の吃逆 ✓
  4. 4.食事中のむせ
  5. 5.食事の所要時間

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 食後の吃逆 食後の吃逆(しゃっくり)は嚥下機能そのものとは無関係な反射であり、直接訓練の効果を測定する指標にはなりません。直接訓練の効果は「安全性」「効率性」「食物摂取量の増加」で評価するため、食後に生じる吃逆では訓練効果の判定ができません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 食物形態 ✅ 正しい。直接訓練で粥状食→常食へ進行できるかは、嚥下機能の改善を示す重要な効果指標です。摂取可能な食物形態の変化は安全性と機能回復の客観的尺度になります。 2. 経口摂取量 ✅ 正しい。訓練前後で経口摂取量がどれだけ増加したか(栄養経管から徐々に口からの摂取へ移行)は、直接訓練の効果を最も明確に示す指標です。 3. 食後の吃逆 ❌ 誤り。吃逆は横隔膜の不随意的けいれんで、嚥下機能とは独立した現象です。食事内容や速度に関係なく発生し、訓練効果の有無を反映しません。むしろ食道期後の現象のため、訓練の直接的な評価対象外です。 4. 食事中のむせ ✅ 正しい。嚥下時のむせは誤嚥の有無を示す重要な安全性指標です。直接訓練で食事中のむせが減少することは、咽頭期機能の改善を意味します。 5. 食事の所要時間 ✅ 正しい。訓練により嚥下効率が改善すると、同じ量を摂取するのに要する時間が短縮されます。所要時間の短縮は嚥下運動の効率化を示す指標です。 --- 【試験対策ポイント】 直接訓練の効果指標 ―「安全性」「効率性」「摂取量」の3軸で評価 | 評価軸 | 具体的指標 | |---|---| | 安全性 | 食事中のむせの減少、誤嚥の有無 | | 効率性 | 食事の所要時間の短縮 | | 摂取量 | 経口摂取量の増加、食物形態の進行 | | 機能改善 | 食物形態の粥状食→常食への変更 | キーワード:「吃逆は嚥下機能と無関係な生理現象」 - 吃逆=横隔膜反射(迷走神経刺激) - 嚥下訓練の効果判定には使用不可 - 「食後」という時間軸からも訓練直後の効果測定に不適切
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