第22回 言語聴覚士国家試験 第12問
リハ医学第22回
心筋梗塞の運動療法について誤っているのはどれか。
- 1.急性期には心電図をモニターしながら行う。
- 2.回復期には嫌気性代謝閾値に達するまで行う。
- 3.慢性期には最大心拍数に達するまで行う。 ✓
- 4.胸痛が出現したら中止する。
- 5.死亡率を低下させる効果がある。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 慢性期には最大心拍数に達するまで行う
心筋梗塞患者の運動療法では、強度の上限が心電図変化や自覚症状によって制限される。慢性期であっても、最大心拍数に達するまで運動させることは危険であり、推奨されない。医学的な根拠のない過度な強度設定であり、この表現は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 急性期には心電図をモニターしながら行う。
✅ 正しい。急性期の心筋梗塞患者は不整脈や再梗塞のリスクが高いため、心電図による連続監視が必須です。心機能の変化を即座に察知し、安全に運動療法を進める基本原則です。
2. 回復期には嫌気性代謝閾値に達するまで行う。
✅ 正しい。回復期では有酸素運動を基本とし、嫌気性代謝閾値(AT;Anaerobic Threshold)直下の強度を目安にします。この強度なら乳酸の蓄積を避けながら安全に心肺機能を改善できます。
3. 慢性期には最大心拍数に達するまで行う。
❌ 誤り。最大心拍数に達するまでの運動は危険です。慢性期でも目標心拍数は最大心拍数の50~70%程度(ないしはATレベル)に設定され、個別の心機能評価に基づいて設定します。無根拠に最大値を目指すことは推奨されません。
4. 胸痛が出現したら中止する。
✅ 正しい。胸痛は心筋虚血の警告信号です。虚血性胸痛が出現した時点で直ちに運動を中止し、医学的評価を受ける必要があります。安全な運動療法の大前提です。
5. 死亡率を低下させる効果がある。
✅ 正しい。心筋梗塞後の適切な運動療法は二次予防として確立されており、心事故の予防と死亡率低下に有意な効果が報告されています。心肺機能の改善に加え、心理社会的効果も期待できます。
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【試験対策ポイント】
心筋梗塞患者の運動療法:段階別強度設定
| 時期 | 強度の指標 | モニタリング | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 急性期 | 低強度(心拍数60~80bpm) | 心電図連続監視 | 不整脈・梗塞再発リスク高 |
| 回復期 | AT直下(最大心拍数50~70%) | 心電図・RPE | 有酸素性運動の安全上限 |
| 慢性期 | 目標心拍数(個別評価) | 定期的評価 | 長期予後改善 |
「最大心拍数に達するまで」という表現は医学的根拠がない。過度な強度は心事故リスクを高める。
キーワード:
- 嫌気性代謝閾値(AT)が回復期の重要指標
- 胸痛・息切れ・めまい出現時は即中止
- 心リハビリテーションは死亡率低下の確証がある医学的介入