第22回 言語聴覚士国家試験 第125問
認知心理学第22回
視覚ー運動協応に関連するのはどれか。
- 1.変換視 ✓
- 2.プライミング効果
- 3.心的回転
- 4.能動的蝕知
- 5.共同運命の要因による群化
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 変換視
変換視(visual transformation)は、視覚情報を運動系に変換するプロセスであり、視覚ー運動協応の中核を担う。眼で見た位置情報を手や身体の運動座標系に変換することで、実際の把握・リーチングなどの目的行動が遂行される。言語聴覚士の専門領域では、眼球運動制御や嚥下時の視覚フィードバックなど、視覚による運動調節が重要となる。
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【各選択肢の解説】
1. 変換視
✅ 正しい。視覚情報を運動出力に変換するメカニズム。視覚-運動協応の本質である。脳の頭頂葉後部皮質(特に頭頂間野)がこの変換に関与する。
2. プライミング効果
❌ 誤り。先行刺激により後続刺激への反応が促進される現象で、記憶・認知心理学の範疇。視覚と運動の協調作用とは無関係である。
3. 心的回転
❌ 誤り。視覚対象をメンタルイメージで空間的に回転させる認知過程。視覚認知能力を問う問題であり、実際の運動出力とは関連しない。
4. 能動的蝕知
❌ 誤り。「蝕知(しょくち)」は知覚という意で、観察者が自ら環境を探索しながら知覚する過程。視覚認知プロセスであり、運動系への変換を含まない。
5. 共同運命の要因による群化
❌ 誤り。ゲシュタルト心理学の「群化の法則」の一つ。同じ方向に動く視覚要素は一つの群として知覚される、という図形知覚の原理。視覚-運動協応とは無関係。
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【試験対策ポイント】
視覚-運動協応関連キーワード整理
| 概念 | 内容 | 関連領域 |
|---|---|---|
| 変換視 | 視覚情報を運動座標へ変換 | 視覚-運動協応(脳:頭頂間野) |
| リーチング | 見た対象への到達運動 | 変換視の応用 |
| 眼球運動制御 | サッケード・追従眼球運動 | 視覚フィードバック |
| ビジュアルガイダンス | 視覚による運動誘導 | スポーツ・摂食嚥下 |
【認知心理学の5つの選択肢を分類】
- 視覚認知のみ:心的回転、能動的蝕知、共同運命
- 記憶・学習:プライミング効果
- 視覚-運動統合:変換視(これだけが運動系を含む)
紛らわしいポイント
「能動的」という語が「視覚-運動協応」と関連しそうに見えるが、これは受動的ではなく自発的に観察する視覚認知プロセスに過ぎない。変換視だけが「視覚情報→運動出力」の変換を意味する。