STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第140問

音響学第22回
成人男性共通語(東京方言)話者が、4モーラからなる無意味語を発した際の広帯域サウンドスペクトグラムを示す。対応するのはどれか。【別図あり】
  1. 1.タミスレ ✓
  2. 2.コニツエ
  3. 3.サリクメ
  4. 4.トミルネ
  5. 5.ダミシテ
第22回第140問 図

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — タミスレ 成人男性共通語話者の広帯域サウンドスペクトログラムからは、各モーラの帯域構造と時間的推移パターンから音素を識別できます。4モーラの無意味語では、各モーラの開始・終了の時間マーク、フォルマント構造(F1・F2)、および高周波成分(無声音の摩擦音特性)を総合的に読み取ることが解答の鍵です。正答選択肢は、スペクトログラム上に示された周波数特性と時間領域の推移が、当該の4つの子音と母音の組み合わせに最も合致するものです。 --- 【各選択肢の解説】 1. タミスレ ✅ 正しい。スペクトログラム上で、タ行(清音)→ミ(高いF2帯域)→スの高周波摩擦成分→レ(液音L/R特性)という時間的推移が図に示されたパターンに合致します。特にス[s]の歯茎摩擦音は3000~8000Hzの特徴的な帯域を示し、区別が明瞭です。 2. コニツエ ❌ 誤り。コ行の奥舌音(低いF2)とニのミとの高さの関係、ツの帯域特性がスペクトログラム上のパターンと不一致です。コ[ko]のF2は通常400Hz以下で、図の高周波パターンとズレが生じます。 3. サリクメ ❌ 誤り。サ行の[sa]での摩擦帯域、リの液音特性、クの奥舌音、メの終了部の周波数推移が、図のスペクトログラム全体の構造と対応しません。特に液音Rと摩擦音sの帯域分離が異なります。 4. トミルネ ❌ 誤り。トの閉鎖音(バースト成分)、ミのF2高周波帯、ルの液音、ネの終了という系列は図と合致しません。特に3番目のモーラの摩擦成分の有無が異なります。 5. ダミシテ ❌ 誤り。ダ行の有声閉鎖音(有声性バー)、シの摩擦帯域(高めだが[s]ほど顕著でない[ʃ]特性)、テの終了パターンが、図の無声性の全体的特性と矛盾します。スペクトログラム上、有声バーの有無は明瞭に区別されます。 --- 【試験対策ポイント】 広帯域スペクトログラム読解の重要項目: | 音素特性 | スペクトログラムの特徴 | |---|---| | **有声音(a, i, u, e, o)** | 基本周波数(F0)バー+複数フォルマント帯が濃密に表示 | | **無声閉鎖音(カ, タ, パ等)** | 無音区間後、高周波バースト成分(2000Hz以上) | | **有声閉鎖音(ガ, ダ, バ等)** | 有声バー明瞭、その後バースト。無声より低周波バースト | | **歯茎摩擦音[s]** | 3000〜8000Hzに強い帯域集中。顕著な高周波 | | **後部摩擦音[ʃ]** | 2000〜5000Hzに集中。[s]より低周波よりで分散 | | **液音[r]/[l]** | F3が低い独特の形。フォルマント構造が特徴的 | | **鼻音[n]** | F1低め、鼻腔共鳴によるバッフル形状 | スペクトログラム問題の解法ステップ: ・4モーラの区切りを時間軸で
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