第22回 言語聴覚士国家試験 第144問
第22回 言語聴覚士国家試験 第144問(言語学)の正答は 2 です。母親からの電話で共通語から方言に切り替わったのは、相手・場面に応じて言語変種(コード)を使い分けたという社会言語学の現象である。
正答:2番
初回正答率 43.5%難問
46人の初回解答から算出(2026年8月1日時点)
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、STカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
母親からの電話で共通語から方言に切り替わったのは、相手・場面に応じて言語変種(コード)を使い分けたという社会言語学の現象である。b コード切り替え・c 変異・d 選択はいずれもこの枠組みの用語だが、a 異化とe 変化は音韻論・通時言語学の用語で、枠組みそのものが違う。
【各選択肢の解説】
a.異 化
✅ 説明にあたらない(=正答)。言語学でいう異化(dissimilation)は、近接するよく似た音どうしが互いに異なる音へ変わる音変化で、同化(assimilation)の対概念。話し方の使い分けとは無関係。
※ 社会心理学寄りの用語として「異化=相手との違いを際立たせる方向に話し方を変えること(divergence)」もあるが、本問は母親に合わせて方言へ寄せている=むしろ相手に近づける方向なので、どちらの意味で取っても本現象の説明にはならない。
b.コード切り替え
❌ 説明にあたる。相手・場面に応じて言語変種(コード)を切り替える現象そのもの。本現象の名称にあたる。
c.変 異
❌ 説明にあたる。同一言語内に共通語と方言という変種(バリエーション)が併存しているという前提。これがあるから切り替えが起こる。
d.選 択
❌ 説明にあたる。その場面でどの変種を使うかを話し手が選ぶこと(言語選択)。
e.変 化
✅ 説明にあたらない(=正答)。時間の経過に伴う言語の通時的変遷を指す。世代をまたいで言語そのものが変わることであり、その場で切り替わる本現象とは別の話。
→ 説明でない a・e の組合せである2番が正答。
【試験対策ポイント】
| 用語 | 分野 | 意味 |
|---|---|---|
| コード切り替え | 社会言語学 | 相手・場面で変種を切り替える |
| 変異 | 社会言語学 | 変種が併存している状態 |
| 選択 | 社会言語学 | どの変種を使うか選ぶ |
| 異化 | 音声学・音韻論 | 似た音どうしが異なる音へ変わる(同化の対) |
| 変化 | 通時言語学 | 時間経過による言語の変遷 |
共時(今この場での使い分け)か、通時(時間による変わり方)かで切ると迷わない。異化・変化は通時側なので、その場の切り替えの説明にはならない。
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