第22回 言語聴覚士国家試験 第151問
リハ医学第22回
機能訓練でないのはどれか。
- 1.失語症者への呼称訓練
- 2.口蓋裂児への構音訓練
- 3.吃音者への流暢性促進訓練
- 4.脳性麻痺児へのVOCA使用訓練 ✓
- 5.言語発達障害児への語彙獲得訓練
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 脳性麻痺児へのVOCA使用訓練
VOCA(音声出力装置)の使用訓練は「代償手段の習得・適応」であり、損なわれた機能を回復させる機能訓練ではなく、代償訓練(または適応訓練)に分類されます。一方、他の4選択肢はすべて、言語・構音・流暢性などの言語機能そのものを改善させる訓練です。
---
【各選択肢の解説】
1. 失語症者への呼称訓練
✅ 正しい機能訓練です。呼称能力は失語症における中核的な言語機能であり、これを改善させることを目的とした直接的な機能訓練です。
2. 口蓋裂児への構音訓練
✅ 正しい機能訓練です。構音能力を改善させることを直接の目的とした訓練であり、音韻体系や構音器官の協調性の改善を目指す典型的な機能訓練です。
3. 吃音者への流暢性促進訓練
✅ 正しい機能訓練です。吃音者の流暢な発話能力を回復・改善させることを目的とした訓練であり、呼吸法・発話速度・リズムなどの機能改善を狙った直接訓練です。
4. 脳性麻痺児へのVOCA使用訓練
❌ 代償訓練(適応訓練)です。脳性麻痺児が構音障害により話言葉での表出が困難な場合、言語機能そのものは改善しないため、VOCA という代償手段を習得させて社会参加を促進する訓練であり、損なわれた機能を回復させるものではありません。
5. 言語発達障害児への語彙獲得訓練
✅ 正しい機能訓練です。語彙という言語機能を獲得・拡大させることが直接の目的であり、基本的な言語発達を促進する典型的な機能訓練です。
---
【試験対策ポイント】
訓練の分類と定義
| 訓練の種類 | 定義 | 具体例 |
|---|---|---|
| 機能訓練 | 損なわれた機能そのものを回復・改善させる直接訓練 | 呼称訓練・構音訓練・流暢性訓練・語彙獲得訓練 |
| 代償訓練 | 回復困難な機能を別の手段で補う訓練 | VOCA使用・手話習得・筆談方法習得 |
| 適応訓練 | 環境や生活方法に適応させる訓練 | 日常生活動作の工夫 |
ST国試で「〜でないのはどれか」の否定型問題における重要な識別ポイント:
- リハビリテーション医学では「機能訓練」と「代償訓練」の概念が頻出
- VOCA・手話・筆談などの「代替・補助手段」は機能訓練ではなく代償訓練に分類
- 「使用方法を学ぶ」「適応させる」という表現が出たら代償訓練を疑う