第22回 言語聴覚士国家試験 第168問
第22回 言語聴覚士国家試験 第168問(言語発達障害学)の正答は 4 です。生活年齢3歳0か月(=36か月)の児の遠城寺式プロフィールを読む問題。
- 1.移動運動は発達年齢が2歳6か月である。
- 2.手の運動のみ発達指数が100を超える。
- 3.基本的習慣は発達年齢が3歳0か月である。
- 4.対人関係と言語理解とは発達年齢が同じである。 ✓
- 5.発語は発達年齢が2歳3か月である。
正答:4番
初回正答率 32.5%難問
40人の初回解答から算出(2026年8月1日時点)
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、STカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
生活年齢3歳0か月(=36か月)の児の遠城寺式プロフィールを読む問題。遠城寺式は移動運動・手の運動・基本的習慣・対人関係・発語・言語理解の6領域からなり、各領域とも通過した(○)項目のうちいちばん上の項目の枠の上端が、その領域の発達年齢になる。
【プロフィールの読み方(ここが本問の全部)】
- 読むのは「いちばん上の○の枠の上端」。折れ線(プロフィール)もその高さで引く。
- 途中に×があっても、その上に○があればそちらで読む。×は「その項目ができない」という情報にすぎず、上の○を取り消さない。
- 発達指数(DQ)=発達年齢 ÷ 生活年齢 × 100。本児は生活年齢36か月なので、発達年齢が36か月より上ならDQ100超。
- 枠の下端で読むと6領域とも1段ずつ下がり、発語が2歳3か月になって選択肢5も正しくなってしまう(正答が2つになり成立しない)。
- ×が出た所で打ち切る(連続した○だけ拾う)と、対人関係は「ままごとで役を演じることができる」の×で止まり、言語理解は「高い、低いがわかる」の×で止まる。止まる高さがずれるので選択肢4が成立しなくなる。
【図から読み取る6領域の発達年齢】
| 領域 | いちばん上の○ | 発達年齢 | DQ |
|---|---|---|---|
| 移動運動 | でんぐりがえしをする | 3歳4か月 | 約111 |
| 手の運動 | 十字をかく | 3歳8か月 | 約122 |
| 基本的習慣 | 鼻をかむ | 3歳8か月 | 約122 |
| 対人関係 | 友達と順番にものを使う(ブランコなど) | 3歳8か月 | 約122 |
| 発語 | 自分の姓名を言う | 2歳6か月 | 約83 |
| 言語理解 | 数の概念がわかる(3まで) | 3歳8か月 | 約122 |
移動運動は「片足で2〜3秒立つ」が×、基本的習慣は「顔をひとりで洗う」が×、対人関係は「ままごとで役を演じることができる」が×、言語理解は「高い、低いがわかる」が×だが、いずれもその上に○があるので上の○で読む。
【各選択肢の解説】
1.移動運動は発達年齢が2歳6か月である。
❌ 誤り。移動運動のいちばん上の○は「でんぐりがえしをする」で3歳4か月。2歳6か月の高さからさらに上まで通過している。
2.手の運動のみ発達指数が100を超える。
❌ 誤り。生活年齢36か月を超えているのは手の運動(3歳8か月)だけではなく、基本的習慣・対人関係・言語理解(いずれも3歳8か月=DQ約122)、さらに移動運動(3歳4か月=40か月=DQ約111)も100を超える。100未満は発語(2歳6か月=DQ約83)だけであり、「のみ」ではない。
3.基本的習慣は発達年齢が3歳0か月である。
❌ 誤り。基本的習慣は「鼻をかむ」まで通過しており3歳8か月。3歳0か月の高さにある「顔をひとりで洗う」は×だが、その上の「鼻をかむ」が○なのでそちらで読む。
4.対人関係と言語理解とは発達年齢が同じである。
✅ 正しい(=正答)。対人関係は「友達と順番にものを使う(ブランコなど)」、言語理解は「数の概念がわかる(3まで)」がそれぞれいちばん上の○で、ともに3歳8か月。プロフィール上で同じ高さに並ぶ。
5.発語は発達年齢が2歳3か月である。
❌ 誤り。発語のいちばん上の○は「自分の姓名を言う」で2歳6か月。その上の「二数詞の復唱」「二語文の復唱」「同年齢の子供と会話ができる」はいずれも×。
【試験対策ポイント】
- 遠城寺式=6領域(移動運動・手の運動・基本的習慣・対人関係・発語・言語理解)を1枚のプロフィールで比べる検査。
- 発達年齢=いちばん上の○の枠の上端/DQ=発達年齢÷生活年齢×100。途中の×に引きずられない。
- 本児は発語だけが2歳6か月(DQ約83)に落ち込み、残る5領域は3歳4〜3歳8か月という形。
- STとしては、言語理解(3歳8か月)は保たれているのに発語(2歳6か月)だけが遅れる=表出優位の遅れと読む。理解も同程度に遅れているのか、表出だけが遅れているのかで想定される病態も介入方針も変わるため、発語と言語理解は必ず別の帯として比べる。
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