第22回 言語聴覚士国家試験 第25問
認知心理学第22回
ヘリング(Hering,K,E,K)の反対色説で説明しやすいのはどれか。
- 1.錐体の種類
- 2.捕色残像 ✓
- 3.加法混色
- 4.減法混色
- 5.色の恒常性
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 補色残像
ヘリングの反対色説は、色覚が「赤-緑」「黄-青」「白-黒」の3つの対立する色受容機構によって成り立つという理論です。補色残像(例:赤い図形を見た後、白い背景に緑色の残像が見える)はこの対立システムの存在を直接説明する現象であり、反対色説の最も有力な証拠となります。
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【各選択肢の解説】
1. 錐体の種類
❌ 誤り。ヤングヘルムホルツの三色説で説明されます。網膜に3種類の錐体(L・M・S細胞)が存在することは、反対色説ではなく三色説の主要な内容です。反対色説は網膜中枢部や外側膝状体以降の神経機構の説明を重視しています。
2. 補色残像
✅ 正しい。反対色説の最大の強み。赤を見た後に白い紙を見ると緑色の残像が見える現象は、「赤-緑」の対立受容機構が疲労して、相対的に緑の信号が優位になることで説明できます。この現象は三色説では説明困難です。
3. 加法混色
❌ 誤り。加法混色(赤+緑=黄など)は三色説で説明されます。光の三原色の混合で新しい色が作られる現象は、3種類の錐体の応答パターンの組み合わせで理解される三色説の領域です。
4. 減法混色
❌ 誤り。減法混色(絵の具の混合)は、色素の波長選択性と関連しており、色覚理論の中心的な説明対象ではありません。特に反対色説との関連性が薄いです。
5. 色の恒常性
❌ 誤り。色の恒常性(照明条件が変わっても色が一定に見える現象)は、網膜後の適応機構や脳の高次処理に関わるもので、反対色説・三色説のいずれでも十分に説明されません。知覚システム全体の複雑な処理によります。
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【試験対策ポイント】
色覚理論の比較表:
| 項目 | ヤングヘルムホルツ三色説 | ヘリング反対色説 |
|---|---|---|
| 基本単位 | 3種類の錐体細胞 | 対立する受容機構 |
| 説明対象 | 加法混色・錐体の種類 | 補色残像・色の対立性 |
| 神経機構 | 網膜の錐体 | 視神経核以降の対立チャネル |
| 色相環 | 理論的基礎が弱い | 補色関係を説明可能 |
キーワード:
- 補色残像=反対色説の証拠
- 三色説と反対色説は「矛盾ではなく補完関係」(現代では両者を統合)
- 網膜レベル→三色説、網膜中枢~脳レベル→反対色説