第22回 言語聴覚士国家試験 第24問
呼吸系第22回
最長発声持続時間が短縮しないのはどれか。
- 1.肺葉切除
- 2.声帯溝症
- 3.間質性肺炎
- 4.横隔神経麻痺
- 5.粘膜下口蓋裂 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 粘膜下口蓋裂
最長発声持続時間(MPT)は肺の呼気量と呼気流量に依存します。粘膜下口蓋裂は軟口蓋の筋層が分裂していても粘膜は連続しているため、鼻咽腔閉鎖機能がほぼ正常に保たれ、呼気の鼻腔への漏出が少なく、MPTはあまり短縮しません。一方、他の4選択肢は肺の容量・機能、呼気流、あるいは閉鎖不全による空気漏出によってMPTが著明に短縮します。
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【各選択肢の解説】
1. 肺葉切除
❌ 誤り。肺葉を外科的に切除すると肺活量が減少し、発声に利用可能な呼気量が減り、MPTは著明に短縮します。肺機能そのものの低下が直接影響します。
2. 声帯溝症
❌ 誤り。声帯溝症は声帯の層状構造が失われ、声帯間に空隙が生じた状態です。このため声帯の密閉不全が生じ、呼気がその隙間から漏出してMPTは短縮します。声帯振動の効率低下も関与します。
3. 間質性肺炎
❌ 誤り。間質性肺炎は肺の線維化により肺コンプライアンスが低下し、肺活量が制限されます。また、ガス交換能も低下するため、利用可能な呼気量が減少してMPTは短縮します。拘束性肺機能障害の典型です。
4. 横隔神経麻痺
❌ 誤り。横隔神経は呼吸の主要な筋である横隔膜を支配します。麻痺により呼気圧(特に努力呼気)が低下し、発声に必要な呼気流量が減少してMPTが短縮します。特に座位での呼気量が著明に低下します。
5. 粘膜下口蓋裂
✅ 正しい。粘膜下口蓋裂は軟口蓋の筋肉層(口蓋帆張筋・口蓋帆挙筋)が分裂していますが、粘膜は連続しているため、鼻咽腔閉鎖機能の障害が比較的軽度です。そのため呼気の鼻腔への漏出が最小限に抑えられ、MPTはあまり短縮しません。完全口蓋裂より閉鎖機能が良好に保たれます。
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【試験対策ポイント】
MPTに影響する要因:
| 要因 | MPTへの影響 | 理由 |
|---|---|---|
| 肺活量低下(肺葉切除・間質性肺炎) | 短縮 | 利用可能な呼気量の減少 |
| 呼気圧低下(横隔神経麻痺) | 短縮 | 呼気流量・持続力の低下 |
| 声帯閉鎖不全(声帯溝症・完全口蓋裂) | 短縮 | 呼気の漏出増加 |
| 鼻咽腔閉鎖機能良好(粘膜下口蓋裂) | 短縮せず | 呼気漏出が最小限 |
重要な区別:
- 完全口蓋裂:粘膜と筋層の両方が分裂→鼻咽腔閉鎖著しく不良→MPT短縮
- 粘膜下口蓋裂:粘膜は連続→閉鎖機能ほぼ保持→MPT短縮しない
MPT測定の臨床意義:
- 呼吸機能の定量評価(肺疾患の診断補助)
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