第22回 言語聴覚士国家試験 第29問
心理測定法第22回
誤っているのはどれか。
- 1.多変量解析は変動の大きな変数間の関係性を分析するための手法である。 ✓
- 2.因子分析における因子負荷量は定数として算出される。
- 3.主成分分析では複数の変数の合成得点が算出される。
- 4.重回帰分析は一つの変数を複数の変数で表そうとする手法である。
- 5.パス解析では因果関係の前提が必要である。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 多変量解析は変動の大きな変数間の関係性を分析するための手法である。
多変量解析は「複数変数間の関係性を分析する」ことが目的です。「変動の大きさ」が分析対象ではありません。変動は結果として得られるもので、分析の前提ではないため、この説明は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 多変量解析は変動の大きな変数間の関係性を分析するための手法である。
❌ 誤り。多変量解析は複数の変数間の関係性を分析する手法ですが、「変動の大きさ」が条件ではありません。変動サイズに関わらず、複数変数間の関係を統計的に処理するのが目的です。
2. 因子分析における因子負荷量は定数として算出される。
✅ 正しい。因子負荷量は観測変数と潜在因子との相関係数に相当し、分析後は固定された定数値です。モデルが確定した後、この値は変わりません。
3. 主成分分析では複数の変数の合成得点が算出される。
✅ 正しい。主成分分析は複数の変数を統合して主成分スコア(合成得点)を算出します。次元削減と要約が特徴です。
4. 重回帰分析は一つの変数を複数の変数で表そうとする手法である。
✅ 正しい。重回帰分析では目的変数(1つ)を複数の説明変数で予測・説明します。y = a + b₁x₁ + b₂x₂ + ... の形式です。
5. パス解析では因果関係の前提が必要である。
✅ 正しい。パス解析は複数の因果関係を同時に検討する手法であり、分析前に変数間の因果構造を理論的に仮定する必要があります。
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【試験対策ポイント】
多変量解析と単変量解析の違い:
| 項目 | 単変量解析 | 多変量解析 |
|---|---|---|
| 分析する変数 | 1〜2個 | 3個以上 |
| 目的 | 1つの変数の分布や関係を記述 | 複数変数間の複雑な関係を統計的に処理 |
| 例 | t検定、相関分析 | 因子分析、主成分分析、重回帰分析 |
主要な多変量解析手法の特徴:
- 主成分分析:多くの変数を少数の合成変数(主成分)に圧縮
- 因子分析:観測変数の背後の潜在因子を抽出
- 重回帰分析:複数の説明変数から1つの目的変数を予測
- パス解析:因果関係の構造モデルを検証
「変動」に関する誤認識:
変動は分析後の結果として生じるもので、「変動の大きさが分析条件」ではありません。変動の大小に関わらず複数変数があれば多変量解析は適用可能です。