STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第31問

臨床心理学第22回
家族療法の技法はどれか。 a.集中内観 b.シェーピング c.多方面への肩入れ d.ジョイニング e.トークンエコノミー 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — c,d(多方面への肩入れ、ジョイニング) 家族療法の技法は、家族全体をシステムとして捉え、複数の家族成員の相互作用に焦点を当てた介入方法です。多方面への肩入れはMinguchin(ミヌーシン)が提唱した構造派家族療法の基本技法で、セラピストが家族の異なる成員や立場に次々と味方することで関係を改善させます。ジョイニングはセラピストが家族システムに参入し、信頼関係を築く段階的な技法です。 --- 【各選択肢の解説】 a.集中内観 ❌ 誤り。集中内観は禅的瞑想に基づいた日本発祥の療法で、個人が自己内省を深める技法です。家族全体の相互作用に焦点を当てない点で、家族療法ではなく個人心理療法に分類されます。 b.シェーピング ❌ 誤り。シェーピングはSkinner(スキナー)が提唱した行動療法の技法で、段階的に目標行動に近い行動を強化していく方法です。個人の行動修正に焦点を当てており、家族システムの相互作用を扱わないため家族療法ではありません。 c.多方面への肩入れ ✅ 正しい。構造派家族療法の創設者Minuchin(ミヌーシン)が提唱した技法です。セラピストが家族内の異なる立場(親側、子ども側など)に次々と肩入れ(支持)することで、各成員の視点を理解し、家族システムの柔軟性を引き出します。家族療法の中核的な技法の一つです。 d.ジョイニング ✅ 正しい。セラピストが家族システムに参入し、各成員と関係を構築する過程を指します。共感的な態度で家族とコンタクトを取り、治療的同盟を形成する家族療法の初期段階における重要な技法です。 e.トークンエコノミー ❌ 誤り。トークンエコノミーはSkinner由来の行動療法技法で、チップ・ポイント等の代替強化物を用いて行動を修正する方法です。個人の行動変容に焦点を当てており、家族システムの動力学を扱わないため家族療法ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 家族療法の主要派と代表技法 | 派閥 | 創設者 | 代表技法 | |---|---|---| | 構造派 | Minuchin | ジョイニング、多方面への肩入れ、リフレーミング | | 戦略派 | Haley | 逆説的指示、メタファー使用 | | ボウエン理論 | Bowen | 三角関係の外在化、フジョネーション | | 体験派 | Satir | 人間可能性の開花、家族彫刻 | 行動療法の個人向け技法(家族療法ではない) - シェーピング:段階的行動強化 - トークンエコノミー:代替強化物による行動修正 - 消去:強化の中止 家族療法における「システム」の重要性 - 個人の症状は「家族全体の機能障害」の表現形式 - セラピストは「家族の相互作用」の変化に働きかける - 個人の行動修正だけでは問題解決に至らない場合が多い 紛らわしい識別ポイント - 集中内観:瞑想的自己内省(日本由来)→個人療法 - トークンエコノミー:強化物の付与が表面的→行動療法 - ジョイニング:セラピストが家族に「参入」→家族療法の基本 - 多方面への肩入れ:複数
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