第22回 言語聴覚士国家試験 第32問
臨床心理学第22回
誤っている組み合わせはどれか。
- 1.回避性パーソナリティ障害 ― 関係念慮 ✓
- 2.境界性パーソナリティ障害 ― 理想化
- 3.強迫性パーソナリティ障害 ― 完璧主義
- 4.自己愛性パーソナリティ障害 ― 誇大性
- 5.反社会性パーソナリティ障害 ― 虚偽性
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 回避性パーソナリティ障害 ― 関係念慮
回避性パーソナリティ障害の中核的特徴は「批判への過敏性と社会的回避」であり、特徴的認知パターンは「否定的な自己イメージ」と「社会的状況への不安」です。関係念慮(他者の評価や反応を過度に気にする傾向)は、むしろ依存性パーソナリティ障害や境界性パーソナリティ障害に見られやすい特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 回避性パーソナリティ障害 ― 関係念慮
❌ 誤り。回避性パーソナリティ障害の特徴は「社会的回避」「批判への過敏性」「否定的自己評価」であり、関係念慮は他のパーソナリティ障害(特に依存性)の特徴です。回避性の患者は関係そのものを回避する傾向があります。
2. 境界性パーソナリティ障害 ― 理想化
✅ 正しい。境界性パーソナリティ障害は「分裂化」を示し、対象を理想化と貶下で極端に評価します。他者を「全能の良い人」から「極悪の裏切り者」へと急速に切り替える特徴的パターンです。
3. 強迫性パーソナリティ障害 ― 完璧主義
✅ 正しい。強迫性パーソナリティ障害の最典型的特徴は「秩序・完璧性・統制への執着」です。細部へのこだわり、ルールへの遵守、効率性の追求が顕著です。
4. 自己愛性パーソナリティ障害 ― 誇大性
✅ 正しい。自己愛性パーソナリティ障害の中核は「誇大な自己像」「特別性の確信」「批判への過敏性」であり、誇大性(grandiosity)はこの障害の診断基準そのものです。
5. 反社会性パーソナリティ障害 ― 虚偽性
✅ 正しい。反社会性パーソナリティ障害の特徴は「平気での嘘」「衝動性」「共感性の欠如」「操作的行動」です。虚偽性は診断基準に直接含まれる中核的特徴です。
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【試験対策ポイント】
パーソナリティ障害の特徴的認知パターン対応表
| パーソナリティ障害 | 特徴的パターン | 関連キーワード |
|---|---|---|
| 依存性 | 関係念慮・依存的認知 | 世話者への執着、遺棄恐怖 |
| 回避性 | 否定的自己評価・社会的不安 | 社会的回避、批判過敏性 |
| 境界性 | 分裂化(理想化↔貶下) | 見捨てられ恐怖、対人関係不安定 |
| 強迫性 | 完璧性追求・統制欲 | 秩序執着、細部へのこだわり |
| 自己愛性 | 誇大性・特別性確信 | 共感性欠如、批判過敏性 |
| 反社会性 | 虚偽性・操作性 | 衝動性、共感性欠如、責任回避 |
重要な区別点:
- 「関係念慮」は依存性や一部の不安障害の特徴であり、回避性ではない
- 回避性は「関係を求めながら拒否」(アプローチ・回避葛藤)の特徴
- 境界性と自己愛性は両者ともDSM-5ではクラスターB(劇的・感情的)に属するが、理想化のパターンが異なる