第22回 言語聴覚士国家試験 第38問
第22回 言語聴覚士国家試験 第38問(音声学)の正答は 2 です。異音とは、同一音素が環境によって異なる音声で実現すること。
- 1.【せ】まい(狭い) ― 【し】まい(姉妹)
- 2.りょう【め】ん(両面) ― せん【め】ん(洗面) ✓
- 3.は【っ】さん(発散) ― は【っ】くつ(発掘)
- 4.さ【ん】かく(三角) ― さ【ん】まい(三枚)
- 5.【ざ】っし(雑誌) ― か【ざ】ん(火山)
正答:2番
初回正答率 38.1%難問
42人の初回解答から算出(2026年8月1日時点)
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、STカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
異音とは、同一音素が環境によって異なる音声で実現すること。したがって成立には①音素が同じ②音声が違うの両方が必要になる。1・3・4・5はいずれも同じ音素が環境で違う音になっているが、2の【め】はどちらも音素 /m/ が音声 [m] のまま=違いがないので、異音の関係とは呼べない。
【各選択肢の解説】
1.【せ】まい(狭い) ― 【し】まい(姉妹)
❌ 異音の関係にある。どちらもサ行=音素 /s/ だが、「せ」は [s]、「し」は [ɕ](イ段の前で口蓋化)と音声が違う。
2.りょう【め】ん(両面) ― せん【め】ん(洗面)
✅ 異音にならない(=正答)。下線部の子音はどちらも音素 /m/ が [m] で実現しており、音素も音声も同じ。「別の音素だから」ではなく「実現に違いがないから」異音の関係にならない、というのがこの問題の急所。
3.は【っ】さん(発散) ― は【っ】くつ(発掘)
❌ 異音の関係にある。促音 /Q/ が後続子音に同化し、[s](はっさん)と [k](はっくつ)で実現が違う。
4.さ【ん】かく(三角) ― さ【ん】まい(三枚)
❌ 異音の関係にある。撥音 /N/ が後続音の調音点に同化し、[ŋ](か の前)と [m](ま の前)になる。
5.【ざ】っし(雑誌) ― か【ざ】ん(火山)
❌ 異音の関係にある。同じ音素 /z/ が、語頭では破擦音 [dz]、語中では摩擦音 [z] と実現を変える。
【試験対策ポイント】
異音=同じ音素/違う音声。片方でも欠けたら異音ではない。
| 音素 | 主な異音 | 条件 |
|---|---|---|
| /s/ | [s]/[ɕ] | イ段の前で口蓋化 |
| /t/ | [t]/[tɕ]/[ts] | イ段・ウ段の前 |
| /h/ | [h]/[ç]/[ɸ] | ヒ・フ |
| /z/ | [dz]/[z] | 語頭/語中 |
| /Q/(促音) | [p][t][k][s] 等 | 後続子音に同化 |
| /N/(撥音) | [m][n][ŋ][ɴ] 等 | 後続音の調音点に同化 |
「音素が違う(=意味を区別する)」のは対立であって異音ではない。異音は同じ音素の中の違いなので、意味の区別には関わらない。
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