第22回 言語聴覚士国家試験 第42問
聴覚心理学第22回
等ラウドネス曲線を示す。図と一致しないのはどれか。
- 1.周波数が低くなるほどラウドネスは小さくなる傾向がある。
- 2.音圧レベルを一定にしてもラウドネスは周波数に依存して異なる。
- 3.ラウドネスの周波数依存性は呈示レベルが大きいほど顕著になる。 ✓
- 4.矢印で示した曲線は70phonのラウドネスレベルを持つ純音を表す。
- 5.63Hzの純音を音圧レベル60dBで呈示した場合のラウドネスレベルは20phonである。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — ラウドネスの周波数依存性は呈示レベルが大きいほど顕著になる。
等ラウドネス曲線(フレッチャー・マンソン曲線)は、異なる周波数の純音が同じラウドネスに聞こえるための音圧レベルの関係を示します。この曲線の最も重要な特徴は、呈示レベルが低いほど周波数依存性が顕著であり、レベルが大きくなると周波数依存性が減少することです。3番はこの性質を逆に述べているため誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 周波数が低くなるほどラウドネスは小さくなる傾向がある。
✅ 正しい。等ラウドネス曲線は低周波数域(特に1kHz以下)で大きく下方に湾曲しており、同じ音圧レベルであれば低周波ほど主観的ラウドネスが小さく聞こえることを示しています。
2. 音圧レベルを一定にしてもラウドネスは周波数に依存して異なる。
✅ 正しい。例えば70dBSPLで複数の周波数を呈示すれば、周波数によってラウドネスレベル(単位phon)が異なります。これが等ラウドネス曲線が一定レベルの曲線でありながら周波数で異なる音圧値を示す理由です。
3. ラウドネスの周波数依存性は呈示レベルが大きいほど顕著になる。
❌ 誤り。実際には逆です。低レベル(例:10phon)の曲線は周波数に対して大きく変動しますが、高レベル(例:100phon)に近づくにつれ、曲線は平坦化し周波数依存性は減少します。これを「ラウドネス補償」と呼びます。
4. 矢印で示した曲線は70phonのラウドネスレベルを持つ純音を表す。
✅ 正しい。等ラウドネス曲線は定義上、指定されたラウドネスレベル(phon値)を持つ純音群の関係を表します。矢印が70phonの曲線を指していれば、その曲線上のすべての周波数・音圧組み合わせが70phonのラウドネスに相当します。
5. 63Hzの純音を音圧レベル60dBで呈示した場合のラウドネスレベルは20phonである。
✅ 正しい。63Hzで音圧60dBというパラメータを等ラウドネス曲線上で探すと、概ね20phon曲線と交差します。この値は実際の曲線データと一致します。
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【試験対策ポイント】
等ラウドネス曲線の性質(頻出・混同しやすい)
| 特性 | 説明 |
|---|---|
| **周波数依存性の変化** | 低レベルほど顕著(特に低周波での感度低下) / 高レベルでは減少(曲線が平坦化) |
| **低周波の扱い** | 同じdBでも低周波ほどラウドネスが小さい(1kHz基準) |
| **1kHzの位置** | 基準周波数。他の周波数の聴覚感度をここと比較する |
| **呈示レベルとphon値** | 60dBSPL(1kHz) = 60phon(定義) / 他周波数はこの基準から周波数依存の補正を加える |
頻出引っ掛けパターン
- 「レベル大 → 周波数依存性大」(誤り。逆)
- 低周波の聴感度について「高レベルでも低い」(誤り。高レベルでは周波数特性が改善)
- 「phon = dB」(誤り