STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第22回 言語聴覚士国家試験 第73問

言語発達障害学第22回
<S-S法>のT群(音声発信未習得)への働きかけ」として適切でないのはどれか。
  1. 1.事物の基礎概念の拡大 ✓
  2. 2.理解語彙の拡大
  3. 3.語連鎖の受信の獲得
  4. 4.発信行動の獲得
  5. 5.音声発信の獲得

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 事物の基礎概念の拡大 S-S法(Stimulation and Sequencing法)のT群(音声発信未習得児)に対する働きかけでは、「受信能力の発達」と「発信行動への段階的移行」に焦点を当てます。事物の基礎概念の拡大は、より早期のS群(刺激受信段階)や概念形成段階の課題であり、T群の対象児にとっては既に前提となっているため、T群固有の働きかけ内容ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 事物の基礎概念の拡大 ❌ 誤り。S-S法のT群での主要課題ではありません。基礎概念の拡大はS群(より早期段階)で重点的に行われる働きかけであり、T群に到達した児童は既にこの段階を概ね達成しています。T群での重点は「受信から発信への転換」にあります。 2. 理解語彙の拡大 ✅ 正しい。T群では音声発信が未習得であっても、理解言語能力は進行しています。理解語彙を継続的に拡大することで、発信基盤を充実させます。 3. 語連鎖の受信の獲得 ✅ 正しい。語連鎖(複数語の系列)の受信能力獲得は、T群における重要な受信スキルです。これが発信への準備段階となります。 4. 発信行動の獲得 ✅ 正しい。T群の定義そのもので、音声以外の発信行動(身振り・指差し・非音声表現など)の獲得が明確な目標です。 5. 音声発信の獲得 ✅ 正しい。T群(音声発信未習得)の最終段階目標は、実際の音声発信能力の獲得です。受信から発信への移行をサポートします。 --- 【試験対策ポイント】 S-S法の段階構造と各群の特徴 | 群 | 到達水準 | 主要課題 | |---|---|---| | P群 | 刺激への受動反応 | 感覚刺激への気づき | | Q群 | 刺激への主動反応 | 注意・反応の制御 | | R群 | 受信語彙の獲得 | 理解言語の基礎 | | S群 | 刺激受信の深化 | 基礎概念拡大・受信スキル充実 | | T群 | 音声発信未習得 | 受信→発信への転換準備 | | U群 | 音声発信習得 | 発信言語の展開 | T群での具体的な働きかけ: - 理解語彙の段階的拡大 - 語連鎖(文法構造)の受信練習 - 音声以外の発信行動(ジェスチャー・指差しなど)の強化 - 音声模倣への準備段階 - コミュニケーション意図の表現練習 頻出の混同ポイント: S群(受信概念形成)とT群(受信→発信転換)の働きかけ内容の違いを明確に区別すること。基礎概念の拡大はS群の領域である。
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