第22回 言語聴覚士国家試験 第74問
言語発達障害学第22回
自閉症スペクトラム障害児の指導として適切でないのはどれか。
- 1.ABA
- 2.INREAL
- 3.DAF ✓
- 4.PECS
- 5.SST
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — DAF
DAF(遅延音声フィードバック)は、音声障害や吃音の治療に用いられるアプローチであり、自閉症スペクトラム障害児の指導には適していません。自閉症の指導では行動分析や社会的コミュニケーションスキルの習得が重視されます。
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【各選択肢の解説】
1. ABA(Applied Behavior Analysis)
✅ 正しい。行動分析に基づいた介入法で、自閉症児の問題行動の改善やスキル習得に広く用いられます。強化原理を活用し、各児の能力に合わせた段階的な学習が可能です。
2. INREAL(Immediate Naturalistic Reinforcement Event and Language)
✅ 正しい。自然な場面での相互作用を通じてコミュニケーションスキルを発達させるアプローチです。環境に組み込まれた強化を活用し、自閉症児の言語と社会性の発達を促進します。
3. DAF(Delayed Auditory Feedback)
❌ 誤り。遅延音声フィードバックは、発話時に自分の声を数百ミリ秒遅延させて聴かせることで、吃音や音声障害の改善に用いられます。自閉症の中核的な困難(社会的相互作用、コミュニケーション)への直接的な効果がないため、自閉症児指導では使用されません。
4. PECS(Picture Exchange Communication System)
✅ 正しい。視覚支援を用いた代替コミュニケーション法です。自閉症児が指差しや言語の代わりに絵カードを交換することでコミュニケーションを成立させ、言語発達を促進します。
5. SST(Social Skills Training)
✅ 正しい。社会的スキルの訓練であり、自閉症児の対人関係やコミュニケーションの困難さに対する重要な介入法です。ロールプレイなどを通じて段階的に社会的スキルを習得させます。
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【試験対策ポイント】
自閉症スペクトラム障害児の主な指導アプローチ比較
| アプローチ | 対象 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| ABA | 行動改善・スキル習得 | 強化原理、行動分析 |
| INREAL | コミュニケーション | 自然な場面、相互作用 |
| PECS | 代替コミュニケーション | 視覚支援、絵カード交換 |
| SST | 社会的スキル | 対人関係、ロールプレイ |
| DAF | 吃音・音声障害 | 遅延フィードバック(自閉症非対象) |
重要:自閉症指導の中核は「社会的コミュニケーション」と「行動」→ABA、PECS、SSTはすべて自閉症児に有効。DAFは言語流暢性の問題に対するアプローチであり、自閉症の中核的困難とは関連性が低い。