第23回 言語聴覚士国家試験 第11問
リハ医学第23回
リハビリテーションにおける能力障害の評価法はどれか。
a.FIM
b.SF-36
c.%VC
d.WAIS-III
e.BarthelIndex
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a, e
能力障害(ADL障害)の評価法は、日常生活動作の実行能力を測定するツールです。FIM(機能的独立度評価表)とBarthel Index(バーセルインデックス)は、ともに ADL 能力を定量的に評価する標準的な尺度です。
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【各選択肢の解説】
a. FIM(Functional Independence Measure)
✅ 正しい。18項目の運動項目(13項目)と認知項目(5項目)から構成され、食事・排泄・移動・コミュニケーション等の能力障害を1~7段階で評価するリハ医学の代表的尺度です。
b. SF-36(Short Form 36)
❌ 誤り。健康関連QOL(生活の質)を測定する尺度であり、能力障害ではなく「社会的不利」のレベルを評価しています。患者の自覚的な健康度・活動度を評価します。
c. %VC(%肺活量)
❌ 誤り。呼吸機能検査の指標であり、肺の容量を評価するもので、能力障害評価法ではありません。神経筋疾患の重症度判定には用いられますが、ADL評価ではありません。
d. WAIS-III(ウェクスラー成人知能検査)
❌ 誤り。認知機能・知能を測定する心理検査であり、能力障害の評価ではなく「障害」レベルの認知能力評価です。リハの機能障害評価に使われます。
e. Barthel Index(バーセルインデックス)
✅ 正しい。10項目(食事・整容・排尿・排便・トイレ移動・入浴・移動・階段昇降・着衣・排便管理)から構成され、各項目0~15点で総合0~100点で評価される能力障害の標準尺度です。
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【試験対策ポイント】
ICFの分類階層と各評価法の位置付け
| 分類レベル | 内容 | 評価法の例 |
|---|---|---|
| 健康状態 | 病気・外傷・障害の医学的診断 | 医学的検査・画像診断 |
| **機能障害** | 身体機能の障害(局所的) | MMSE、WAIS-III、筋力検査、%VC |
| **能力障害** | ADL実行能力の低下 | **FIM、Barthel Index** |
| 社会的不利 | 社会的役割遂行の困難 | SF-36、WHOQOL |
重要な区別:
- **FIMとBarthel Index**:いずれも「能力障害(日常生活動作)」評価の代表。FIMは18項目(認知項目含む)、Barthel Indexは10項目
- **WAIS-III**:「機能障害」レベル(認知機能の低下を測定)→能力障害ではない
- **SF-36**:「社会的不利」レベル(QOL・自覚的満足度)→能力障害ではない
- **%VC**:「機能障害」レベル(呼吸機能の客観的障害)→能力障害ではない
紛らわしい点:
FIMが認知項目も含むため「認知評価=WAIS」と誤解しやすいが、FIMの認知項目も「能力障害」のレベル(実際の遂行能力)を評価しており、WAIS-IIIの詳細な知能測定とは異なります。