STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第10問

精神医学第23回
うつ病の症状ではないのはどれか
  1. 1.睡眠障害
  2. 2.抑うつ気分
  3. 3.食欲減退
  4. 4.誇大妄想 ✓
  5. 5.自殺念慮

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 誇大妄想 うつ病の特徴的症状は「抑うつ気分」「興味・喜びの喪失」「睡眠障害」「食欲低下」「自殺念慮」などで、選択肢1・2・3・5はすべて典型的です。一方、誇大妄想は双極性障害のうつ病エピソード(特に混合状態)や統合失調症に見られ、通常のうつ病では出現しません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 睡眠障害 ✅ 正しい。不眠(入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒)がうつ病の最も一般的な症状の一つです。稀に過眠が見られることもあります。 2. 抑うつ気分 ✅ 正しい。うつ病の中核症状であり、診断基準(DSM-5・ICD-11)の必須項目です。「気分の落ち込み」「絶望感」を特徴とします。 3. 食欲減退 ✅ 正しい。体重減少を伴う食欲低下がうつ病で頻繁に認められます。(稀に食欲増加が見られることもあります) 4. 誇大妄想 ❌ 誤り。誇大妄想はうつ病には通常出現しません。これは双極性障害の躁病エピソード(「自分は天才である」など)や統合失調症に特徴的です。うつ病で妄想が見られる場合は「罪悪感妄想」「貧困妄想」「微小妄想」(病的に悲観的な内容)に限定されます。 5. 自殺念慮 ✅ 正しい。うつ病患者の自殺リスクは最重要な臨床課題です。「生きている価値がない」といった自殺念慮は多くの患者に認められます。 --- 【試験対策ポイント】 うつ病 vs 躁病・混合状態の妄想の違い | 特徴 | うつ病 | 躁病・混合状態 | |---|---|---| | 妄想の内容 | 罪悪感、貧困、微小(自分を貶める) | 誇大性(自分を高く評価) | | 気分の方向 | 抑制的・絶望的 | 高揚的または易怒的 | | 活動レベル | 低下 | 亢進 | うつ病の重要症状チェックリスト - 中核症状:抑うつ気分、興味喜びの喪失 - 神経症状:睡眠障害、食欲減退、倦怠感、集中力低下 - 認知症状:自責感、無価値感、死への思考 - 身体症状:頭痛、胸部圧迫感、便秘 - 危機症状:自殺念慮・企図 紛らわしい落とし穴 「妄想がある=うつ病ではない」と単純に考えてはいけません。精神病性うつ病(うつ病性精神病)では妄想が見られますが、その内容は「罪悪感妄想」「貧困妄想」など「抑制的・自己非難的」です。誇大妄想は絶対に出現しません。
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