STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第125問

認知心理学第23回
誤っている組合せはどれか。
  1. 1.概念達成 ――― 仮説の設定
  2. 2.洞察 ――― 状況の再編成
  3. 3.試行錯誤 ――― 機能の固着 ✓
  4. 4.発見的推論 ――― 経験則の使用
  5. 5.類推 ――― 既知の解法の適用

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 試行錯誤 ――― 機能の固着 試行錯誤は系統的な試み一つひとつの過程を指す問題解決方法であり、機能の固着(ファンクショナルフィクセドネス)は問題解決を阻害する心理的障害です。この2つは因果関係がなく、むしろ機能の固着は試行錯誤を妨げる要因となるため、組合せが誤っています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 概念達成 ――― 仮説の設定 ✅ 正しい。概念達成とは、提示される例と非例から共通の特徴を見出す過程です。この過程では受験者が「○○という特徴ではないか」と仮説を立てながら進めます。 2. 洞察 ――― 状況の再編成 ✅ 正しい。洞察は問題の構造を突然に理解する現象で、問題場面の要素を新しい方法で再構成(再編成)することで解決に至ります。 3. 試行錯誤 ――― 機能の固着 ❌ 誤り。試行錯誤は「試す→失敗→別の方法を試す」という段階的プロセスを指します。機能の固着は「物体の通常の用途しか思い浮かばない」という障害であり、試行錯誤を妨げる要因です。因果関係ではなく対立関係にあります。 4. 発見的推論 ――― 経験則の使用 ✅ 正しい。発見的推論(ヒューリスティック)は完全な論理に頼らず、経験や常識に基づく簡便な推論方法です。これは経験則や経験知を活用する方法論です。 5. 類推 ――― 既知の解法の適用 ✅ 正しい。類推は既に知っている似た問題の解き方を、新しい問題に応用する思考方法です。既知の解法を新しい状況に転移させるプロセスです。 --- 【試験対策ポイント】 認知心理学における問題解決の方法論(重要用語) | 概念 | 定義 | 特徴 | |---|---|---| | 試行錯誤 | 複数の方法を順序立てて試す | 段階的・時間がかかる | | 洞察 | 構造を突然に理解する | 飛躍的・創造的 | | 概念達成 | 例と非例から共通特徴を抽出 | 仮説と検証を繰り返す | | 類推 | 既知と未知の類似性を応用 | 経験を活かす | | 発見的推論 | 経験則で簡便に推論 | 完全ではないが効率的 | 機能の固着(Functional Fixedness)=問題解決を妨げる要因 - 物体を通常の用途としてのみ認識する心理的拘束 - 「ろうそく問題」で典型的に検討される概念 - 試行錯誤を「妨げる」ものであり「促す」ものではない 紛らわしい選択肢の見分け方: 組合せ問題では、単語同士の「因果関係・対応関係」を明確に判定する。試行錯誤と機能の固着は「両立しない対立概念」であるため、同一の問題解決方法の2つの側面ではなく、相互に矛盾する関係であることに注意。
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