第23回 言語聴覚士国家試験 第126問
学習心理学第23回
一人で課題を行う場合に比べて他者と協働するときに課題遂行量が減る現象はどれか。
- 1.誤帰属
- 2.認知的不協和
- 3.社会的手抜き ✓
- 4.学習性無力感
- 5.スリーパー効果
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 社会的手抜き
複数の人間が協働で課題を行う際に、個人の努力量や課題遂行量が低下する現象を社会的手抜き(social loafing)といいます。グループ内で個人の貢献が特定されにくくなることが原因で、個人責任が希薄化して努力を減らす傾向が生じます。
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【各選択肢の解説】
1. 誤帰属
❌ 誤り。誤帰属とは、ある出来事や自分の行動の原因を誤って解釈することです。他者との協働場面における課題遂行量の低下とは直接的な関係がありません。
2. 認知的不協和
❌ 誤り。認知的不協和とは、矛盾する2つの認知や態度が存在するときに生じる心理的緊張状態です。協働時の課題遂行量低下という現象には該当しません。
3. 社会的手抜き
✅ 正しい。グループで作業するときに個人の貢献が目立たなくなるため、個人で行うときより努力量が低下し、課題遂行量が減少する現象です。この現象はグループが大きいほど顕著になります。
4. 学習性無力感
❌ 誤り。学習性無力感とは、繰り返し失敗や統制不可能な状況を経験することで、行動を起こそうとする意欲が失われる状態です。協働による一時的な現象ではなく、個人の過去経験に基づいています。
5. スリーパー効果
❌ 誤り。スリーパー効果とは、低信頼度の情報源による説得の効果が、時間経過とともに増加する現象です。課題遂行量の低下とは全く関係がありません。
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【試験対策ポイント】
協働時の心理現象の整理:
| 現象 | 定義 | 課題遂行への影響 |
|---|---|---|
| 社会的手抜き | グループ内で個人貢献が不明確になり努力低下 | 遂行量↓ |
| 社会的促進 | 他者の存在で基本的・得意な課題の遂行量↑ | 遂行量↑ |
| 同調現象 | グループの意見・規範に合わせる | 個人判断抑制 |
| 集団的思考 | グループの凝集性高→批判的思考低下 | 判断誤り↑ |
キーワード:
- 社会的手抜き=「個人責任の希薄化」「匿名性」「努力量の低下」
- 他の4選択肢はいずれも「協働場面」との直接的因果関係がない点を区別
- 学習性無力感との混同に注意:学習性は「過去経験」→「動機低下」、社会的手抜きは「現在の状況」→「相対的努力低下」