STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第133問

認知心理学第23回
児童期の認知発達の特徴でないのはどれか。
  1. 1.論理的思考をし始める。
  2. 2.3つ山問題に正答できる。
  3. 3.二次的ことばを用い始める。
  4. 4.メタ認知を活用し始める。
  5. 5.素朴概念を用い始める。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 素朴概念を用い始める。 児童期(6~12歳)は具体的操作期に相当し、論理的思考の発達が特徴ですが、素朴概念(日常経験に基づく直感的な理解)は幼児期から既に存在し、児童期に「用い始める」わけではありません。むしろ児童期を通じて科学的概念の習得により徐々に修正されていきます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 論理的思考をし始める。 ✅ 正しい。ピアジェの具体的操作期(6~12歳)の中核的特徴で、可逆性や保存の理解など論理的思考が成立し始めます。 2. 3つ山問題に正答できる。 ✅ 正しい。ピアジェの3つ山問題は具体的操作期(6~7歳以降)で正答率が上昇し、他者の視点を取る能力(脱中心化)の発達を示します。 3. 二次的ことばを用い始める。 ✅ 正しい。児童期では「ことばについてのことば」(メタ言語能力)が発達し、言語そのものを対象化して考える二次的ことばの使用が増加します。 4. メタ認知を活用し始める。 ✅ 正しい。児童期後期(9~10歳以降)にメタ認知(自分の認知過程を認識・調整する能力)が発達し、学習戦略の工夫や自己モニタリングが可能になります。 5. 素朴概念を用い始める。 ❌ 誤り。素朴概念は幼児期(3~5歳)から既に存在し、児童期に「用い始める」わけではありません。児童期はむしろ科学教育を通じて素朴概念を科学的概念へと修正していく時期です。 --- 【試験対策ポイント】 ピアジェの発達段階(認知発達) | 段階 | 年齢 | 中核的特徴 | 関連キーワード | |---|---|---|---| | 感覚運動期 | 0~2歳 | 物体の永続性 | 対象の恒常性 | | 前操作期 | 2~7歳 | 自己中心性・アニミズム | 素朴概念の形成 | | 具体的操作期 | 6~12歳 | 論理的思考・可逆性 | 脱中心化・保存 | | 形式的操作期 | 12歳~ | 抽象的思考 | 仮説演繹的推論 | 認知発達関連キーワード(児童期) - 脱中心化:複数の視点を同時に考慮(3つ山問題で示唆) - 保存の概念:物質量・液体量・長さなどの不変性を理解 - 可逆性:操作を逆転させた場合の思考 - メタ認知:自分の学習プロセスを監視・調整 - メタ言語能力:言語ルール自体を意識・言及 素朴概念は「前操作期から青年期まで根強く存在し、修正プロセスが進行中」という点が重要です。児童期に素朴概念を「用い始める」のではなく、「科学的概念で上書きし始める」というニュアンスの違いを押さえましょう。
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