第23回 言語聴覚士国家試験 第140問
音響学第23回
「私はうなぎを食べる。」という文を読み上げた際の広帯域サウンドスペクトログラムを示す。矢印の位置にある母音はどれか。(図あり)
- 1.「ア」 ✓
- 2.「イ」
- 3.「ウ」
- 4.「エ」
- 5.「オ」
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 「ア」
サウンドスペクトログラムにおいて、母音の同定は、第1甲状軟骨周波数(F1)と第2甲状軟骨周波数(F2)の位置関係で判定します。矢印が示す位置は、F1が低く(舌位が高い)、F2も中程度の値を示しており、これは「ア」音の特徴的なフォルマント構造に合致します。「うなぎを食べる」という文脈において、「ア」は「ぎ」の後の母音として出現します。
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【各選択肢の解説】
1. 「ア」
✅ 正しい。「ア」音は舌位が最も低く、口腔内の共鳴腔が最大になるため、F1が高く(500Hz付近)、F2も高い(1200Hz付近)という特徴を示します。矢印の位置はこれに合致しています。
2. 「イ」
❌ 誤り。「イ」音は舌位が最も高く、口腔が狭くなるため、F1が最も低く(200Hz程度以下)、F2も高い(2000Hz以上)特徴があります。矢印の位置とは異なります。
3. 「ウ」
❌ 誤り。「ウ」音は唇を丸める点で特異的であり、F1は低めですがF2は最も低い(600Hz程度)という特徴があります。矢印の位置のF2値とは異なります。
4. 「エ」
❌ 誤り。「エ」音はF1が「ア」より低く、F2は「ア」より低い(800Hz~1000Hz程度)という中間的な値を示します。矢印の位置はこれに該当しません。
5. 「オ」
❌ 誤り。「オ」音は唇を丸めるため、F2が最も低い特徴があります。また舌位も後方になり、F1も比較的低い値を示します。矢印の位置とは一致しません。
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【試験対策ポイント】
母音のフォルマント特性(日本語5母音)
| 母音 | F1(Hz) | F2(Hz) | 舌位 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ア | 700~800 | 1200~1400 | 最低・中央 | 口腔最大 |
| イ | 200~300 | 1900~2200 | 最高・前方 | 舌が高い |
| ウ | 300~400 | 600~800 | 低・後方 | 唇丸める |
| エ | 400~500 | 1000~1200 | 中~低・中央 | 中間的 |
| オ | 400~500 | 700~900 | 中~低・後方 | 唇丸める |
スペクトログラム読解のコツ:
- 縦軸が周波数、横軸が時間
- より濃い部分(エネルギーが強い)がフォルマント
- F1と F2の位置関係が母音判定の鍵
- 「ア」は2つのフォルマントが最も広く離れている(最も開く母音)
- 画像問題では矢印位置のフォルマント間隔に着目する
頻出誤選択:
- 「ウ」と「オ」の区別:両者ともF2が低いが、「ウ」はさらに低い
- 「エ」と「オ」の区別:「エ」のF2がやや高い(1000Hz付近)
※本問は図を参照し、矢印位置のF1・F2値を確認することが必須です。