第23回 言語聴覚士国家試験 第141問
聴覚心理学第23回
カクテルパーティー効果と関連しないのはどれか。
- 1.片耳だけだと雑音下での音声が聞き取りづらい。
- 2.気になる人の言っていることは耳に入ってくる。
- 3.注意力が散漫になると雑音下での音声が聞きづらい。
- 4.聞こえづらいと思って話し手に近づくと急にうるさく聞こえる。 ✓
- 5.ふたりが全く同時に同じピッチで話すとそれぞれの声が聞き分けにくい。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 聞こえづらいと思って話し手に近づくと急にうるさく聞こえる。
カクテルパーティー効果は「複数の音声が混在する雑音環境において、特定の音声に選択的に注意を向けることで、その音声を聞き分けられる現象」です。4番は物理的な距離変化による音圧レベルの変化に関する現象であり、「聴覚による選択的注意」というカクテルパーティー効果の本質とは無関係です。
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【各選択肢の解説】
1. 片耳だけだと雑音下での音声が聞き取りづらい。
✅ 正しい。カクテルパーティー効果の発現には両耳情報が重要です。両耳聴により時間差や音圧差を手がかりに特定音源に注意を向けやすくなります。両耳聴が障害されると選択的注意の効率が低下し、雑音下での音声弁別が著しく困難になります。
2. 気になる人の言っていることは耳に入ってくる。
✅ 正しい。カクテルパーティー効果の典型的な例です。関心のある話者(気になる人)に注意を向けることで、その話者の発話を優先的に処理し、他の雑音を抑制できます。
3. 注意力が散漫になると雑音下での音声が聞きづらい。
✅ 正しい。カクテルパーティー効果は「注意メカニズム」が中核です。注意が散漫になると選択的注意能力が低下し、目的の音声に対する聴覚的フォーカスが弱まり、雑音下での音声弁別性能が劇的に低下します。
4. 聞こえづらいと思って話し手に近づくと急にうるさく聞こえる。
❌ 誤り。これは「距離による物理的な音圧レベルの変化」に関する現象で、心理的・神経学的な選択的注意メカニズムとは直接関係ありません。カクテルパーティー効果とは無関係です。
5. ふたりが全く同時に同じピッチで話すとそれぞれの声が聞き分けにくい。
✅ 正しい。時間差や周波数差など、注意を向けるための「弁別線索」がなくなると、カクテルパーティー効果が成立しません。音響的に区別できる特徴がないと、選択的注意も機能しにくくなります。
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【試験対策ポイント】
カクテルパーティー効果の本質と応用範囲:
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 定義 | 複数音が混在する環境で、注意を向けた特定音を聞き分ける現象 |
| 中核メカニズム | 選択的注意 |
| 必要な聴覚特性 | 両耳聴、時間差・周波数差などの音響特徴 |
| 注意の役割 | 目的音への集中度が高いほど効果が大きい |
| 失われる条件 | 物理的な音響特徴が完全に重なる場合 |
紛らわしい要素との区別:
- 「物理的距離」「音圧」→カクテルパーティー効果の範囲外
- 「注意」「心理要因」→カクテルパーティー効果の中核
- 「両耳情報」「弁別線索」→発現に必須