STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第139問

呼吸系第23回
音声の音源について誤っているのはどれか。
  1. 1.口腔内圧の急激な解放が破裂音源となる。
  2. 2.声帯振動の周期が短くなるとピッチが上昇する。
  3. 3.声門開放率が減少すると張りのある声質になる。
  4. 4.摩擦音源は声道のどこかに生じる狭めを呼気が通過することで生じる。
  5. 5.声帯音源の振幅スペクトルは通常1オクターブ上昇するごとに12dB増加する。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 声帯音源の振幅スペクトルは通常1オクターブ上昇するごとに12dB増加する。 声帯音源のスペクトル特性では、周波数が上昇するにつれて音圧が減少します。実際には「1オクターブ上昇するごとに約12dB減少」(-12dB/オクターブ)であり、逆に「周波数が低いほどエネルギーが大きい」という負のスロープを持ちます。本選択肢は増加と述べているため誤りです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 口腔内圧の急激な解放が破裂音源となる。 ✅ 正しい。破裂音(閉鎖音)は口腔内で気流を遮断し圧力を高めた後、その遮断を解放する際に急激な圧力放出が生じ、これが音源となります。/p/、/t/、/k/などがこれに該当します。 2. 声帯振動の周期が短くなるとピッチが上昇する。 ✅ 正しい。ピッチは声帯振動の周波数で決まります。周期が短い(振動が速い)ほど周波数は高くなり、ピッチが上昇します。周期と周波数は逆数関係です。 3. 声門開放率が減少すると張りのある声質になる。 ✅ 正しい。声門開放率(声帯が開いている時間の割合)が減少すると、声帯の接触時間が長くなり、より硬い接触による音源が生成されます。これにより「張りがある」「堅い」という声質になります。 4. 摩擦音源は声道のどこかに生じる狭めを呼気が通過することで生じる。 ✅ 正しい。摩擦音(副音源)は声道内に狭い通路を作り、そこを呼気が高速で通過するときに乱流が発生することで音が生じます。/s/、/f/、/h/などが該当します。 5. 声帯音源の振幅スペクトルは通常1オクターブ上昇するごとに12dB増加する。 ❌ 誤り。声帯音源は「1オクターブ上昇するごとに約12dB減少」(負のスロープ)するのが通常です。低周波数ほどエネルギーが大きく、高周波数ほどエネルギーが小さくなるため、増加という記述は誤りです。 --- 【試験対策ポイント】 音声の音源と音声の周波数特性の区別が重要 | 項目 | 特徴 | |---|---| | 破裂音源 | 口腔圧の急激な解放 | | 摩擦音源 | 声道の狭めを通る呼気の乱流 | | 声帯音源スペクトル | **-12dB/オクターブ**(低周波優位) | | ピッチ | 周期↓→周波数↑→ピッチ↑ | | 声門開放率↓ | 接触時間↑→張った声質 | 頻出の誤りポイント - スペクトル変化を「増加」と誤解しやすい→実際は「減少」が正しい - 破裂音と摩擦音の音源生成メカニズムは明確に異なる - 声帯音源は低周波帯域にエネルギーが集中するため、高周波数ほど必ず減衰する
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