STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第43問

音声学第23回
「江戸っ子」のように「○○○○っ子」の○○○○に地名を入れたときに、モーラ音素の連続が一番長いのはどれか。
  1. 1.ドーハ
  2. 2.ホーチミン
  3. 3.バクー
  4. 4.ウイーン ✓
  5. 5.ロンドン

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — ウイーン この問題は、「~っ子」という形式で地名を組み込んだとき、モーラ音素の連続(つまり、同じ種類の音素が途切れることなく続く最長の区間)がもっとも長い選択肢を選ぶ問題です。「江戸っ子」の「ど」→「っ」→「こ」における「ッ」(撥音便)や各モーラの境界を意識しながら分析する必要があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. ドーハっ子 ❌ 誤り。「ド」「ー」「ハ」「ッ」「コ」で分かれる。モーラ音素の連続としては単独の音で途切れやすく、最長連続は短い。 2. ホーチミンっ子 ❌ 誤り。「ホ」「ー」「チ」「ミ」「ン」「ッ」「コ」となり、モーラが細切れになりやすい。中でも「チミン」の部分が連続しやすい見立てもありますが、「ンッ」で分断される。 3. バクーっ子 ❌ 誤り。「バ」「ク」「ー」「ッ」「コ」で、「ク」と「ー」で既に音質が大きく異なり、連続性が弱い。 4. ウイーンっ子 ✅ 正しい。「ウ」「イ」「ー」「ン」「ッ」「コ」と分かれるが、「ウイーン」の部分で「ウ」→「イ」→「ー」が比較的連続した半母音~母音のストリームとして認識される。さらに「イーン」を「い゛ん」のように鼻音化される傾向もあり、モーラの連続性が保たれやすい。 5. ロンドンっ子 ❌ 誤り。「ロ」「ン」「ド」「ン」「ッ」「コ」で、「ン」が2度挿入され、音素の流れが分断される。「ロン」と「ドン」に明確に分かれる。 --- 【試験対策ポイント】 モーラ音素の連続とは何か: - 音韻体系において「モーラ」(拍)を単位として、異なる種類の音が途切れることなく続く最長の区間 - 日本語は5つの音質:子音+母音(CV)型/母音(V)型/ん(N)型/っ(促音)型/あ゛(長音)型 - 同じ音質系統が続く場合のみ「連続」とカウント 選択肢の音韻構造: | 選択肢 | 地名部分の音質 | 「っ子」追加後の分断点 | 最長連続の候補 | |---|---|---|---| | ドーハ | CV-V-CV | 撥音で分断 | 短い | | ホーチミン | CV-V-CV-CV-N | 撥音で分断 | 中程度 | | バクー | CV-CV-V | 撥音で分断 | 短い | | ウイーン | CV-CV-V-N | 「イ」→「ー」の連続性 | **最長** | | ロンドン | CV-N-CV-N | 二重の「ン」分断 | 短い | キーポイント: - 「長音(ー)」は母音の延長であり、直前の母音と同じ音質系統に属する - ウイーン:「イ」(母音)→「ー」(長音=母音の延続)→「ン」(鼻音)の流れは、特に「イー」の部分で一貫性がある - 撥音(ッ)は必ず「~っ子」の接続で挿入されるため、すべての選択肢で分断点となる
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