第23回 言語聴覚士国家試験 第44問
言語学第23回
形態論的プロセスとしての重複には完全重複と部分重複とがあるが、いずれでもないのはどれか。
- 1.やまやま
- 2.ひとびと
- 3.しんじん ✓
- 4.つつく
- 5.あやや
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — しんじん
重複は元の語基に同じ音が繰り返される形態論的プロセスですが、「しんじん」は「信じ(しんじ)」+「人(じん)」という複合語であり、重複ではなく造語法です。一方、他の選択肢はいずれも完全重複または部分重複として機能しています。
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【各選択肢の解説】
1. やまやま
✅ 正しい。完全重複の例。「やま」の語基全体が繰り返される。「あの人はやまやまだ」のように、「非常に~である」という強調の意味を加える。
2. ひとびと
✅ 正しい。部分重複の例。「ひと」の語基の一部(「と」)が変わり、「び」が挿入される形で「ひとびと」となる。複数を表す古典的な表現。
3. しんじん
❌ 誤り(正答)。これは重複ではなく「信じ」(サ変動詞の幹)と「人」(名詞)を組み合わせた複合語。形態論的に重複プロセスではなく、造語法(複合)に該当する。
4. つつく
✅ 正しい。部分重複の例。「つく」の語基の一部が繰り返される形で「つつく」となり、「繰り返し~する」という反復の意味を加える。
5. あやや
✅ 正しい。完全重複の例。「あや」の語基全体が繰り返される。「あやや、危ない」のような感動詞的用法で驚きや感情を表現する。
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【試験対策ポイント】
重複(reduplication)の分類:
| 種類 | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 完全重複 | 語基全体が同じまま繰り返される | やまやま、あやや |
| 部分重複 | 語基の一部が変わりながら繰り返される | ひとびと、つつく |
| 重複ではない | 複合語・接尾辞付加など他の造語法 | しんじん(複合語) |
重複と複合語の見分け方:
- 重複:1つの語基が繰り返される(同じ要素の反復)
- 複合語:異なる2つ以上の語基が結合される(異なる要素の結合)
「しんじん」の構造:
- 「しんじ」=「信じ」(サ変動詞)の幹
- 「じん」=「人」(名詞)
- 結合:複合語(異なる語基同士の合成)
紛らわしい項目(「~じん」の用例):
- 「外国人」「医者」など、「人」と結合するパターンは複合語であり、重複ではない。