第23回 言語聴覚士国家試験 第67問
言語発達障害学第23回
特異的言語発達障害に併発しやすいのはどれか。
- 1.自閉症スペクトラム障害
- 2.知的能力障害
- 3.注意欠如・多動性障害 ✓
- 4.聴覚障害
- 5.脳性麻痺
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 注意欠如・多動性障害
特異的言語発達障害(SLI)は定義上、聴覚障害・知的能力障害・神経学的異常を除外した言語の選択的障害です。しかし注意欠如・多動性障害(ADHD)は神経発達障害として独立しており、SLIとの共存率が高く(15~30%の先行研究)、併発しやすいとされています。
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【各選択肢の解説】
1. 自閉症スペクトラム障害
❌ 誤り。自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断基準には「社会的コミュニケーション障害」が含まれており、SLIの除外基準に該当します。ASDとSLIは併存することもありますが、診断上は区別される独立した障害です。
2. 知的能力障害
❌ 誤り。SLI診断の除外基準に「知的能力障害がないこと」が明示されています。IQ 70以下の場合、言語障害は知的能力障害の二次的症状と考えられるため、SLIではなく知的能力障害として診断されます。
3. 注意欠如・多動性障害
✅ 正しい。ADHDとSLIは独立した神経発達障害として共存が可能です。注意機能の障害が言語学習の困難を加重し、両者の併発率は高いとされています。診断基準上も両者の併存を妨げるものはありません。
4. 聴覚障害
❌ 誤り。SLI診断の除外基準に「聴覚障害がないこと」が含まれています。聴覚障害がある場合、言語発達遅滞は聴覚障害によるものとされ、SLIではなく聴覚障害として診断されます。
5. 脳性麻痺
❌ 誤り。脳性麻痺は神経学的障害(中枢神経系の非進行性脳病変)であり、SLI診断の除外基準に該当します。脳性麻痺がある場合、言語障害は運動障害の二次的症状と位置づけられます。
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【試験対策ポイント】
特異的言語発達障害(SLI)の除外基準の理解が重要です。
| 除外基準 | 理由 |
|---|---|
| 聴覚障害 | 言語発達遅滞の主因が聴覚喪失にある |
| 知的能力障害(IQ≦70) | 言語障害が知的障害の一部として説明される |
| 神経学的異常(脳性麻痺等) | 言語障害が脳病変の直接的結果 |
| 自閉症スペクトラム障害 | 社会的コミュニケーション障害が主症状 |
併発しやすい障害:
- ADHD:独立した神経発達障害として共存可能。注意機能低下が言語学習困難を加重する。併発率15~30%
紛らわしいポイント:
「SLIと併存できる」=「除外基準ではない」ということです。選択肢1~2, 4~5は診断上の除外基準に該当するため、SLI単独診断時には存在しないはずです。