STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第69問

小児科学第23回
定型発達の3歳児に難しいのはどれか。
  1. 1.じゃんけんのルールを説明できる。 ✓
  2. 2.食べ物の名前が九つ以上理解できる。
  3. 3.尿意を知らせる。
  4. 4.指示代名詞を使う。
  5. 5.痛みの部位を正確に教える。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — じゃんけんのルールを説明できる。 3歳児は発達段階として、抽象的なゲームルールの理解と説明は未成熟です。じゃんけんは「同時に出す」「何が何に勝つ」といった複数の規則を理解し、それを言語化する能力が必要となり、一般的には4~5歳以降に習得される課題です。一方、他の選択肢は3歳児の定型発達の範囲内で期待できる能力です。 --- 【各選択肢の解説】 1. じゃんけんのルールを説明できる。 ❌ 誤り(3歳児には難しい)。じゃんけんは同時性・条件判断・ルール体系化など複数の認知能力を必要とし、3歳では理解・説明の両面で難しい。4~5歳以降に習得されます。 2. 食べ物の名前が九つ以上理解できる。 ✅ 正しい。3歳児の語彙は約200~300語で、食べ物名(みず・ぱん・ごはん・にんじん等)は生活語として容易に習得され、9語以上の理解は可能です。 3. 尿意を知らせる。 ✅ 正しい。3歳はトイレットトレーニングの標準時期で、大多数の児が尿意を認識し親に伝えられます。完全な排尿コントロール(夜間含む)は4~5歳ですが、昼間の尿意表出は3歳で期待されます。 4. 指示代名詞を使う。 ✅ 正しい。3歳児は「あれ」「これ」「それ」といった指示代名詞を日常会話で使い分けられます。3歳は二語文から三語文への移行期で、文法的な複雑さも増します。 5. 痛みの部位を正確に教える。 ✅ 正しい。3歳児は痛みを感じた時に「あ、いたい」「ここ、いたい」と部位を指さして伝えられます。身体部位名も習得済みです。 --- 【試験対策ポイント】 3歳児の発達マイルストーン(定型発達で期待される能力) | 領域 | 能力 | 備考 | |---|---|---| | 言語 | 語彙200~300語 | 二語文から三語文へ | | 言語 | 指示代名詞の使用 | 「あれ」「これ」「それ」を文脈で使い分け | | 言語 | 自分の名前が言える | 三語文で説明的発話も出現 | | 生活習慣 | 尿意を知らせる | 昼間トイレットトレーニング開始時期 | | 認知 | 身体部位名の理解 | 痛みの部位を正確に指さし可能 | | 食事 | 食べ物名の理解 | 9語以上の食物名習得は容易 | | 認知 | ルール遊び | じゃんけん・鬼ごっこの「ルール説明」は4~5歳 | 紛らわしい点:「じゃんけんが『できる』vs『説明できる』」 - 3歳でも親の真似をしてじゃんけんの動作をすることはできますが、問題は「ルール説明」→つまり抽象的思考と言語表現の統合が求められるため難しいのです。 ゲームルール習得の発達順序 1. 3歳:簡単な行動模倣(親の真似) 2. 4~5歳:ルール理解と実行 3. 6~7歳以降:複雑なルール説明と戦略
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