第26回 言語聴覚士国家試験 第9問
小児科学第26回
ウエスト症候群について正しいのはどれか。
- 1.痙攣は発熱時におこる。
- 2.知的発達は正常である。
- 3.抗てんかん薬で発作は制御できる。
- 4.乳児期に後発する。 ✓
- 5.過呼吸で脳波異常が誘発される。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 乳児期に後発する。
ウエスト症候群は典型的に生後3~12ヶ月(特に4~8ヶ月)の乳児期に発症するてんかん症候群です。発作型は「点頭発作」(頭部の軽い前屈と両上肢の内転)が特徴で、脳波では「ヒプスアリスミア」(高振幅の不規則な速波と徐波の混在)を示します。予後不良で予後は発症早期の治療(副腎皮質ホルモンやビガバトリン)が重要です。
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【各選択肢の解説】
1. 痙攣は発熱時におこる。
❌ 誤り。ウエスト症候群は発熱に関係なく発症します。むしろ定型的には夜間睡眠時や覚醒時に点頭発作が反復的に起こります。発熱時限定の痙攣は「熱性けいれん」であり、ウエスト症候群とは異なります。
2. 知的発達は正常である。
❌ 誤り。ウエスト症候群は予後不良で、多くの患者に知的発達遅滞が生じます。治療開始の遅延によって脳への損傷が進行し、発達遅滞が顕著になることが問題です。知的発達の正常化は期待できません。
3. 抗てんかん薬で発作は制御できる。
❌ 誤り。ウエスト症候群は通常の抗てんかん薬(フェニトイン・フェノバルビタールなど)に抵抗性を示します。治療の第一選択は副腎皮質ホルモン(ACTH・プレドニゾロン)またはビガバトリン(GABA類似物質)であり、従来の抗てんかん薬は効果が限定的です。
4. 乳児期に後発する。
✅ 正しい。ウエスト症候群の典型的発症時期は生後3~12ヶ月(peak:4~8ヶ月)で、新生児期ではなく乳児期です。この時期特有の脳発達の異常を反映した症候群として位置付けられています。
5. 過呼吸で脳波異常が誘発される。
❌ 誤り。ウエスト症候群の脳波異常(ヒプスアリスミア)は過呼吸では誘発されません。むしろ睡眠時に顕著化することが多く、睡眠段階との関連が指摘されています。過呼吸感度が高いのは欠神発作(小児欠神てんかん)の脳波異常です。
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【試験対策ポイント】
乳幼児てんかん症候群の発症時期と特徴
| 症候群 | 発症時期 | 発作型 | 脳波 | 予後 | 治療 |
|---|---|---|---|---|---|
| ウエスト症候群 | 生後3~12ヶ月 | 点頭発作(flexor spasm) | ヒプスアリスミア | 不良 | ACTH・ビガバトリン |
| 小児欠神てんかん | 4~8歳 | 欠神発作(意識消失) | 3Hz棘徐波複合 | 良好 | エトスクシミド |
| Dravet症候群 | 生後6ヶ月~ | 熱性けいれん様 | 多焦点性異常 | 不良 | バルプロ酸 |
| 新生児けいれん | 生後72時間以内 | 微細運動 | 正常~低電位 | 変動的 | フェノバルビタール |
ウエスト症候群の重要キーワード
- 別名:乳幼児痙攣発作症
- 原因不問(特発性・症候性)で定義される