第28回 言語聴覚士国家試験 第107問
小児科学第28回
プラダー・ウィリー症候群の特徴はどれか。
a.吃音
b.高身長
c.過食
d.外性器低形成
e.筋緊張亢進
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
# 第28回第107問 解説
■ 正答:**4番 — c,d(過食・外性器低形成)**
プラダー・ウィリー症候群(PWS)は15番染色体父親由来遺伝子の異常(通常は父親の15q11-q13領域の欠失)により生じます。乳幼児期から成人期へと症状が劇的に変化する点が臨床的に重要です。**乳児期の低緊張と過食(思春期以降)が最大の特徴**です。
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【各選択肢の解説】
**a. 吃音**
❌ 誤り。吃音はPWSの特徴ではありません。PWSでは言語発達遅滞(知的障害に伴う)がみられることはありますが、中核症状は吃音ではありません。
**b. 高身長**
❌ 誤り。むしろ**低身長**が特徴です。成長ホルモン分泌不全が関与し、成長期に身長の伸びが不十分になります。成長ホルモン補充療法の対象疾患です。
**c. 過食**
✅ 正しい。乳児期は「吸啜不全・哺乳困難」で低体重が著明ですが、**1〜3歳から食欲が異常に亢進し始め、成長期には止めがたい過食傾向**を示します。これが肥満につながり、代謝障害(2型糖尿病)や心肺機能障害の主要なリスク因子になります。脳の視床下部機能異常が原因と考えられています。
**d. 外性器低形成**
✅ 正しい。男性では陰茎低形成・精巣容積の著明な減小がみられます。女性でも外陰部の発育が不十分なことがあります。性腺機能低下症(hypogonadism)は**PWSの生物学的マーカーの一つ**です。
**e. 筋緊張亢進**
❌ 誤り。むしろ**乳児期から幼児期初期にかけて著明な低緊張(hypotonia)**がみられます。「フロッピーインファント(floppy baby)」として発見されることもあります。この低緊張は加齢とともに改善し、思春期以降は通常の筋緊張に戻ります。
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【試験対策ポイント】
**プラダー・ウィリー症候群の時期別特徴**:
| 時期 | 主な特徴 |
|---|---|
| **乳児期(0〜1歳)** | 著明な低緊張、吸啜不全、哺乳困難、低体重、発達遅滞 |
| **幼児期(1〜3歳)** | 低緊張の改善、食欲亢進の出現、体重増加加速 |
| **学童期〜成人期** | **制御不能な過食→肥満**、低身長、外性器低形成、知的障害、認知機能障害(執着性・こだわり行動)、行動問題 |
**診断基準**:
- **一般的な臨床診断基準**:幼少期の筋緊張低下+発達遅滞+肥満+過食+저身長+外性器低形成
- **遺伝学的確認**:15番染色体父親由来の欠失(70%)、母由来の2部コピー(20%)、imprinting中心の異常(10%)
**STの臨床的視点**:
- 乳児期:吸啜不全による哺乳困難→経管栄養との組み合わせが必要な場合あり
- 幼児期以降:**知的障害に伴う言語発達遅滞**がみられ、個別の言語訓練・社会性スキル訓練が重要
- 行動管理:執着性・こだわり行動により、セラピーの効果判定