STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第110問

リハ医学第24回
脳卒中リハビリテーションと効果との組み合わせで誤っているのはどれか。
  1. 1.ボツリヌス毒素治療 ― 上下肢感覚改善 ✓
  2. 2.短下肢装具装着 ― 歩行機能改善
  3. 3.三角巾装着 ― 肩手症候群予防
  4. 4.ADL訓練 ― スキルの獲得
  5. 5.段差解消機の設置 ― 社会参加促進

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — ボツリヌス毒素治療 ― 上下肢感覚改善 ボツリヌス毒素治療は痙性筋の過剰な筋緊張を軽減し、運動機能や可動域を改善する治療ですが、感覚機能を直接改善する効果は持ちません。感覚は神経の知覚機能に関わる問題であり、筋緊張緩和の対象ではないため、上下肢感覚改善には効果がないとされています。 --- 【各選択肢の解説】 1. ボツリヌス毒素治療 ― 上下肢感覚改善 ❌ 誤り。ボツリヌス毒素治療はアセチルコリン放出を抑制し痙性を軽減するため、運動機能・可動域・関節可動性の改善には寄与しますが、感覚機能は改善しません。感覚は脊髄路や脳の感覚野の問題であり、筋緊張の改善では対応できません。 2. 短下肢装具装着 ― 歩行機能改善 ✅ 正しい。短下肢装具(AFO)は足関節の不安定性を制御し、立脚相での安定性と遊脚相での足関節背屈を補助します。結果として歩行速度・歩行距離・安全性が改善されることが多くの研究で示されています。 3. 三角巾装着 ― 肩手症候群予防 ✅ 正しい。三角巾による肩関節外転位保持は、痙性麻痺側の肩関節の無理な牽引やアライメント不良を防ぎ、肩手症候群(複合局所疼痛症候群)の発生を予防するうえで重要な方法です。 4. ADL訓練 ― スキルの獲得 ✅ 正しい。食事・排泄・更衣などのADL訓練を繰り返すことで、新たな神経学的路の形成(脳可塑性)を促進し、日常生活の実用的なスキル獲得につながります。 5. 段差解消機の設置 ― 社会参加促進 ✅ 正しい。段差解消機(スロープなど)を住宅に設置することで、外出の障壁が低下し、訪問・外出・就労などの社会参加機会が増加します。環境調整による社会参加促進は脳卒中リハの重要な要素です。 --- 【試験対策ポイント】 脳卒中リハビリテーションの各介入と効果の対応関係: | 介入方法 | 作用機序 | 効果対象 | |---|---|---| | ボツリヌス毒素 | アセチルコリン放出抑制→筋緊張低下 | 運動機能・可動域 | | 短下肢装具 | 足関節安定化・支持 | 歩行機能・安全性 | | 三角巾 | 肩関節アライメント保持 | 肩手症候群予防 | | ADL訓練 | 脳可塑性を利用した反復練習 | 実用的スキル | | 環境調整(段差解消等) | 物理的障壁除去 | 自立度・社会参加 | 重要:ボツリヌス毒素は「運動」機能改善であり「感覚」機能改善ではない 感覚機能改善に必要な介入:感覚促通訓練・視覚的フィードバック・電気刺激など
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