第24回 言語聴覚士国家試験 第111問
耳鼻咽喉科学第24回
流行性耳下腺炎でみられるのはどれか。
a.唾石
b.睾丸炎
c.感音難聴
d.口腔乾燥症
e.乾燥性角結膜炎
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
流行性耳下腺炎(ムンプス)はパラミクソウイルスによる全身感染症で、唾液腺の炎症だけでなく複数の臓器障害をきたします。特に睾丸炎と感音難聴は重要な合併症です。
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【各選択肢の解説】
a. 唾石
❌ 誤り。唾石は細菌感染や唾液の成分異常により形成される機械的な病変です。流行性耳下腺炎のようなウイルス感染では唾石は生じません。
b. 睾丸炎
✅ 正しい。流行性耳下腺炎の最も重要な合併症の一つです。患者の20~30%で発症し、特に思春期以降の男性に多く見られます。不妊につながる可能性があります。
c. 感音難聴
✅ 正しい。ウイルスが内耳に侵襲して内耳炎を起こし、感音難聴が生じます。一側性・両側性ともあり、永続的な聴力障害に至ることもあります。ST国試では耳下腺炎に伴う合併症として頻出です。
d. 口腔乾燥症
❌ 誤り。流行性耳下腺炎は耳下腺の急性炎症であり、炎症によって一時的に唾液分泌は障害されますが、これは急性期の症状であって「口腔乾燥症」(シェーグレン症候群などの慢性疾患)ではありません。回復期には正常化します。
e. 乾燥性角結膜炎
❌ 誤り。乾燥性角結膜炎(シェーグレン症候群など)は自己免疫疾患による涙液・唾液分泌低下が特徴です。流行性耳下腺炎の合併症ではありません。
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【試験対策ポイント】
流行性耳下腺炎の主要合併症:
| 器官 | 合併症 | 頻度 | 重要性 |
|---|---|---|---|
| 精巣 | 睾丸炎 | 20~30% | 不妊原因 |
| 内耳 | 感音難聴 | 1~5% | 永続的障害の可能性 |
| 膵臓 | 膵炎 | 5% | 自己限定的 |
| 髄膜 | 髄膜炎 | 10% | 多くは良好予後 |
ウイルス感染症と混同しやすい知識:
・唾石症→細菌感染が主、舌下腺に多い
・シェーグレン症候群→自己免疫疾患、慢性口腔乾燥
・流行性耳下腺炎→ウイルス全身感染、複数臓器合併症
キーワード:パラミクソウイルス、内耳炎による感音難聴、思春期男性の睾丸炎がST試験で頻出