第24回 言語聴覚士国家試験 第109問
精神医学第24回
躁症状について典型的でないのはどれか。
- 1.抑制欠如
- 2.自信過剰
- 3.易怒性
- 4.性欲亢進
- 5.睡眠時間の延長 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 睡眠時間の延長
躁状態の典型的な特徴は「多動性」「活動亢進」「睡眠欲求の減少」です。睡眠時間の延長は躁症状と相反する現象であり、むしろ抑うつ状態で見られる特徴です。躁状態では「眠気がなく、数時間の睡眠で十分と感じる」という睡眠欲求の著しい低下が特徴的です。
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【各選択肢の解説】
1. 抑制欠如
✅ 正しい。躁状態では前頭葉の抑制機能が低下し、衝動的な行動が増加します。衝動買い・無責任な行動・不適切な発言など、社会的な抑制が失われることが典型的です。
2. 自信過剰
✅ 正しい。躁状態では誇大性(grandiosity)が認められ、自分の能力を過大評価します。根拠のない自信で、現実的でない計画を立てることがあります。
3. 易怒性
✅ 正しい。躁状態では興奮性が高く、ちょっとした批判や反対意見に対して激怒することが多く見られます。躁うつ病患者の家族が最も対応に困る症状の一つです。
4. 性欲亢進
✅ 正しい。躁状態では生理的欲求全般が亢進し、性的活動の増加や性的逸脱行動が見られることがあります。無分別な異性関係が問題になることもあります。
5. 睡眠時間の延長
❌ 誤り。躁状態では睡眠欲求の減少(decreased need for sleep)が著しく、通常より遥かに少ない睡眠で十分と感じます。むしろ睡眠時間は「短縮」します。抑うつ状態で睡眠時間が延長することと対比すると理解しやすいです。
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【試験対策ポイント】
躁状態の典型的9項目(DSM-5基準より)
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| 気分 | 異常な高揚気分・易怒性 |
| 抑制欠如 | 衝動的行動・社会的判断の低下 |
| 自信過剰 | 誇大性・根拠のない自信 |
| 易怒性 | 批判への激怒・対人紛争 |
| 活動亢進 | 多動・がむしゃらな行動 |
| 思考加速 | 観念奔逸・言語圧迫 |
| 性欲亢進 | 生理欲求全般の亢進 |
| 睡眠欲求の減少 | 数時間で十分と感じる(×延長) |
| 注意散漫 | 刺激転導性が高い |
睡眠の鑑別
抑うつ状態:睡眠時間「延長」「過眠」
躁状態:睡眠欲求「減少」「短眠」←本問で強調される特徴
易怒性の位置付け
躁状態では「気分の高揚」「易怒性」の両方が見られることが重要(どちらか一方ではない)。易怒性が前景に出ると「躁病的エピソード」として診断される。