STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第125問

認知心理学第24回
誤っているのはどれか。
  1. 1.要求水準は課題に取り組む際に個人が自ら設定する目標である。
  2. 2.接近ー回避コンフリクト状況では相反感情が生じる。
  3. 3.不快な状況から逃れられない経験を繰り返すと無力感が獲得される。
  4. 4.子どもに対する親の養育的行動は親和動機づけによって解発される。
  5. 5.ジェームズーランゲ説は欲求と動機づけの起源に関する理論である。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — ジェームズーランゲ説は欲求と動機づけの起源に関する理論である。 ジェームズーランゲ説は「感情」の生成メカニズムに関する理論であり、欲求や動機づけの理論ではありません。この説は「身体的反応が先であり、その反応を脳が認知することで感情が生じる」という感情の生成過程を説明するものです。一方、欲求と動機づけの起源に関する理論は、ハル-スペンスの動因還元説やマズローの欲求階層説などが該当します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 要求水準は課題に取り組む際に個人が自ら設定する目標である。 ✅ 正しい。要求水準(レベル・オブ・アスピレーション)は、個人が次に成し遂げようとする課題の難易度目標のことであり、過去の成功・失敗経験によって変動します。これは学習動機づけの重要な概念です。 2. 接近ー回避コンフリクト状況では相反感情が生じる。 ✅ 正しい。接近ー回避コンフリクトは同一対象に対して「近づきたい」と「避けたい」という相反する動機が同時に働く状況であり、アプローチとアボイダンスの葛藤から相反感情(不安と期待が混在など)が生じます。 3. 不快な状況から逃れられない経験を繰り返すと無力感が獲得される。 ✅ 正しい。セリグマンによる「学習性無力感(learned helplessness)」の定義そのものです。コントロール不可能な負のイベントの反復経験により、やがてそれから逃げることをやめてしまい、無力感が形成されます。 4. 子どもに対する親の養育的行動は親和動機づけによって解発される。 ✅ 正しい。親和動機(親和欲求、affiliative motivation)は他者と接触したい・親密な関係を築きたいという動機であり、親が子どもへの養育的行動(世話・保護・愛情表現)を促進する主要な動機づけ要因となります。 5. ジェームズーランゲ説は欲求と動機づけの起源に関する理論である。 ❌ 誤り。ジェームズーランゲ説(James-Lange theory)は「感情」の理論です。身体的反応(心拍数上昇・発汗など)が先に起こり、その身体反応を脳が感知することで「恐怖」「喜び」といった感情が生じるという因果関係を主張します。欲求や動機づけの起源とは無関係な領域です。 --- 【試験対策ポイント】 | 概念 | 定義 | 関連理論 | |---|---|---| | 要求水準 | 個人が次に成し遂げようとする課題の難易度目標 | 動機づけの過程理論 | | 接近ー回避コンフリクト | 同一対象への相反する2つの動機が同時作用 | 動機づけの葛藤 | | 学習性無力感 | コントロール不可能な負のイベント反復で獲得される無力感 | セリグマン理論 | | 親和動機 | 他者と親密な関係を築きたい動機 | 養育行動の解発因 | 感情の3大古典理論(混同しやすい): ・ジェームズーランゲ説:身体反応→感情認知 ・キャノン-バード説:視床同時興奮→身体反応+感情同時発生 ・クシュナー説:認知的評価→感情生成 **紛らわしさポイント**:感情理論と動機づけ理論は別領域。ジェームズーランゲ説は「感情がな
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