第24回 言語聴覚士国家試験 第140問
第24回 言語聴覚士国家試験 第140問(音響学)の正答は 5 です。「あがり」/agari/の語中子音/g/は、共通語(東京方言)では破裂音[g]・摩擦音[ɣ]・鼻濁音[ŋ]などに実現されうる。
正答:5番
初回正答率 51.4%標準
35人の初回解答から算出(2026年8月1日時点)
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、STカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
「あがり」/agari/の語中子音/g/は、共通語(東京方言)では破裂音[g]・摩擦音[ɣ]・鼻濁音[ŋ]などに実現されうる。いずれも同じ語「あがり」として許容される音声変種である。スペクトログラムのA・B・Cは、第1母音[a]から第2母音[a]にかけて低域の有声性(声帯振動)が途切れず、高域に強い雑音も現れない=有声子音として実現された「あがり」の変種である。
一方、Dは子音区間で低域の有声のエネルギーがいったん途切れ(閉鎖の無音区間)、その直後に鋭い縦線(破裂のバースト)が立つ=無声の破裂音であって、有声の/g/の異音ではない。Eは第1母音と第2母音の間の4〜8kHzに幅の広い摩擦性の雑音がみられる=摩擦音であって、これも/g/の異音ではない。よって変種でないのはd・eの組合せ=5番。
【各選択肢の解説】
a.A
❌ 変種である。子音区間まで有声性が保たれており、/g/を有声子音で実現した「あがり」。
b.B
❌ 変種である。同じく有声のまま子音区間を渡っており、/g/の異音の一つで実現した「あがり」。
c.C
❌ 変種である。子音区間に無音も高域の雑音もなく、有声のまま連続している(鼻濁音などの実現)。
d.D
✅ 変種でない(=正答)。子音区間に無声の閉鎖(低域の声帯振動が途切れる区間)があり、続いて破裂のバーストが立つ。Eのような広帯域の摩擦性雑音はみられない。有声の/g/とは別の、無声破裂音である。
e.E
✅ 変種でない(=正答)。子音区間の4〜8kHzに広帯域の強い摩擦性雑音がみられ、摩擦音である。
→ d・eの組合せである5番が正答となる。
【試験対策ポイント】
サウンドスペクトログラムは3点で読む。①母音=横縞(フォルマント)。②有声性=最低域の濃い帯(声帯振動)が続いているか。③子音の種類=無音(閉鎖)+縦線1本なら破裂音、高域に幅の広い雑音が持続すれば摩擦音、有声のまま弱い共鳴なら鼻音・鼻濁音。同じ語の変種かどうかは、まず有声性が保たれているかを見て、次に無音区間・高域雑音の有無で子音を特定する。破裂音は「一瞬の縦線」、摩擦音は「幅のある雲」と覚えると取り違えない。
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