第24回 言語聴覚士国家試験 第139問
音響学第24回
共通語(東京方言)話者1名の5母音を分析した。適切でないのはどれか。
- 1./a/の第1フォルマント周波数が最も高い。
- 2./i/の第1と第2フォルマントの周波数差が最も大きい。
- 3./u/では第2フォルマント周波数が/i/より高い。 ✓
- 4./e/では第1フォルマント周波数が/i/より高い。
- 5./o/では第2フォルマント周波数が/e/より低い。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — /u/では第2フォルマント周波数が/i/より高い。
日本語5母音のフォルマント周波数の特性は、舌の位置と口腔の共鳴周波数に対応しています。第1フォルマント(F1)は舌の高さ、第2フォルマント(F2)は舌の前後位置を反映します。/u/は高い狭い後舌母音であり、F2は典型的に1000Hz程度と極めて低く、/i/の高い前舌母音(F2は約2200Hz)よりも著しく低いため、この選択肢は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. /a/の第1フォルマント周波数が最も高い。
✅ 正しい。/a/は最も低い開口母音であり、舌が下がっているため口腔のコンプライアンスが大きく、F1は約750Hzで5母音中最も高くなります。
2. /i/の第1と第2フォルマントの周波数差が最も大きい。
✅ 正しい。/i/はF1が約270Hzと最も低く、F2が約2200Hzと最も高いため、その差は約1930Hzで5母音中最大です。
3. /u/では第2フォルマント周波数が/i/より高い。
❌ 誤り。/u/は後舌の円唇母音で、舌が後方に位置するためF2は約1000Hz前後と極めて低いです。一方/i/は前舌母音でF2が約2200Hzであり、/u/のF2は/i/より著しく低いため、この記述は完全に逆です。
4. /e/では第1フォルマント周波数が/i/より高い。
✅ 正しい。/e/は半開き前舌母音でF1が約500Hz、/i/はF1が約270Hzと極めて低い母音です。舌の高さの違いを反映して、/e/のF1は/i/より高くなります。
5. /o/では第2フォルマント周波数が/e/より低い。
✅ 正しい。/o/は後舌円唇母音でF2が約1000Hz、/e/は前舌非円唇母音でF2が約1800Hz程度であり、舌の前後位置の違いを反映して/o/のF2は/e/より低いです。
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【試験対策ポイント】
日本語5母音のフォルマント周波数(標準値)
| 母音 | F1(Hz) | F2(Hz) | 舌位置 |
|---|---|---|---|
| /a/ | 750 | 1300 | 低・中舌 |
| /e/ | 500 | 1800 | 中・前舌 |
| /i/ | 270 | 2200 | 高・前舌 |
| /o/ | 500 | 1000 | 中・後舌 |
| /u/ | 300 | 1000 | 高・後舌 |
重要な覚え方
- F1は舌の高さに反応:低い母音(/a/)→ F1高い、高い母音(/i/,/u/)→ F1低い
- F2は舌の前後に反応:前舌母音(/i/,/e/)→ F2高い、後舌母音(/u/,/o/)→ F2低い
- 紛らわしい誤り回答:第2フォルマント周波数の大小関係を逆に覚えると確実に誤る