第24回 言語聴覚士国家試験 第200問
補聴器・人工内耳第24回
人工内耳の設定でCレベル(MCL)を上げた場合に予測されるのはどれか。
- 1.顔面神経刺激症状が消える。
- 2.音の大小がわかりにくくなる。
- 3.プロソディの聴取が悪化する。
- 4.ラウドネスが大きくなる。 ✓
- 5.バッテリーの持続時間が長くなる。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ラウドネスが大きくなる。
Cレベル(MCL:Most Comfortable Level)は人工内耳の刺激強度を決定する重要なパラメータです。Cレベルを上げることは、電極への刺激電流量を増加させることを意味し、その結果として知覚される音の大きさ(ラウドネス)が増加します。これは補聴器の利得を上げるのと同じ原理です。
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【各選択肢の解説】
1. 顔面神経刺激症状が消える。
❌ 誤り。むしろ逆です。Cレベルを上げると刺激電流が増加し、隣接構造である顔面神経への不慮の刺激リスクが高まり、顔面神経刺激症状(顔面のピクピク、異常感覚など)が出現しやすくなります。症状を消すにはCレベルを下げるか、電極の選択を変更する必要があります。
2. 音の大小がわかりにくくなる。
❌ 誤り。Cレベルを上げても、ダイナミックレンジ(TレベルとCレベルの差)の設定に変化がなければ、相対的な音量弁別能は変わりません。むしろ、Cレベルを上げすぎてダイナミックレンジが著しく圧縮されれば、音の大小がわかりにくくなる可能性は生じます。しかし、単に「Cレベルを上げた」ことのみでは、直接的に音の大小弁別が低下するわけではありません。
3. プロソディの聴取が悪化する。
❌ 誤り。プロソディ(抑揚・リズム・強調)の聴取はダイナミックレンジとの関連が強く、Cレベルの絶対値の上昇そのものが直接的に悪化させることはありません。むしろ、ダイナミックレンジが極度に圧縮されるような不適切な設定が問題となります。
4. ラウドネスが大きくなる。
✅ 正しい。Cレベルは患者が「最も快適に聴取できる音圧レベル」の意図で設定されるパラメータです。これを上げると、各電極への刺激強度が増加し、感知される音の絶対的な大きさが増加します。これは補聴器や聴覚装置の基本原理です。
5. バッテリーの持続時間が長くなる。
❌ 誤り。むしろ逆です。Cレベルを上げると電流刺激が強くなるため、エネルギー消費量が増加し、バッテリーの持続時間は短くなります。バッテリー寿命を延ばすには、Cレベルを適切に下げるか、使用時間を減らすことが有効です。
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【試験対策ポイント】
人工内耳の設定パラメータと聴覚属性の関係
| パラメータ | 操作 | 主な効果 | 副作用リスク |
|---|---|---|---|
| Tレベル(感知閾値) | 上昇 | 最小音量が上がる | 小さい音が聞こえなくなる |
| Cレベル(MCL) | 上昇 | ラウドネス増加 | バッテリー消費↑、顔面神経刺激↑ |
| ダイナミックレンジ | 拡大 | 音量範囲が増加 | 適応に時間が必要 |
| ダイナミックレンジ | 圧縮 | 音質の圧縮感 | 音の大小弁別↓、プロソディ↓ |
キーワード
- Cレベル=患者の「快適聴取レベル」→ラウドネス決定の直接要因
- Tレベル=検出閾値→通常の