STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第25問

認知心理学第24回
奥行き知覚の手がかりでないのはどれか。
  1. 1.両眼の輻輳
  2. 2.重なり
  3. 3.陰影
  4. 4.肌理の勾配
  5. 5.色の対比 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 色の対比 奥行き知覚(深さの知覚)には複数の手がかり(cue)があります。両眼の輻輳、重なり、陰影、肌理の勾配はすべて確立された奥行き知覚の手がかりですが、色の対比は奥行き知覚には寄与しません。色の対比は色覚や図地知覚に関わりますが、距離感の判断には用いられない知覚的特性です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 両眼の輻輳 ✅ 正しい。両眼が対象物を追うとき、眼球が内側に動く角度によって距離情報が得られます。近い物体ほど輻輳角度が大きくなるため、確実な奥行き手がかりです。 2. 重なり ✅ 正しい。一つの対象物が別の対象物に重なって見えるとき、手前にある物体が奥行き手がかりとなります。これは単眼線索(単眼でも知覚可能)です。 3. 陰影 ✅ 正しい。物体の明暗パターンにより、立体感や奥行きが知覚されます。光と影の分布は表面の傾斜や距離を示す強力な手がかりです。 4. 肌理の勾配 ✅ 正しい。地面や壁などのテクスチャが、遠くに行くほど密になる(勾配する)ことで、距離感が生じます。Gibson が提唱した重要な単眼線索です。 5. 色の対比 ❌ 誤り。色の濃淡や色相の違いは対象物間の区別には用いられますが、奥行き知覚には直接寄与しません。奥行き知覚は主に幾何学的・光学的手がかりで成立します。 --- 【試験対策ポイント】 奥行き知覚の手がかり分類 両眼線索(両眼で機能) ・両眼視差(網膜像の位置差) ・輻輳(眼球の寄り具合) 単眼線索(片眼でも機能) ・重なり(遮蔽) ・相対的大きさ ・陰影(明暗) ・肌理の勾配(テクスチャ) ・線遠近法(透視図法) ・運動視差(動きに伴う見え方の変化) 色は関係ない概念 ・色の対比・色相・彩度は「認識」や「図地知覚」には関わるが、距離知覚ではない 頻出の間違え方 「見た目の違い=奥行き手がかり」と誤解しやすい。色の違いは図地分離には有効だが、距離感生成には無関係。
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