第24回 言語聴覚士国家試験 第26問
認知心理学第24回
誤っているのはどれか。
- 1.古典的条件付けでは条件刺激に対する条件反応が成立する。
- 2.オペラント条件付けにおける消去抵抗は連続強化よりも部分強化の方が大きい。
- 3.強化スケジュールでは強化の比率や時間間隔が操作される。
- 4.観察学習では観察者自身が強化子を受けなくても学習が成立する。
- 5.技能学習における上達は分散学習よりも集中学習の方が早い。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 技能学習における上達は分散学習よりも集中学習の方が早い
この選択肢は「集中学習の方が早く上達する」と述べていますが、実際には分散学習(時間をあけて繰り返す)の方が長期的な習得と保持に優れています。短期的には集中学習で成績が向上する(短期効果)ものの、学習効果の持続性は分散学習が明らかに優位です。これは「分散効果」として認知心理学の確立した知見です。
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【各選択肢の解説】
1. 古典的条件付けでは条件刺激に対する条件反応が成立する。
✅ 正しい。パブロフの古典的条件付けの基本原理です。中立刺激(条件刺激)が無条件刺激と対提示されることで、やがて条件刺激単独で無条件反応と同じ反応(条件反応)が生じるようになります。
2. オペラント条件付けにおける消去抵抗は連続強化よりも部分強化の方が大きい。
✅ 正しい。「部分強化効果」として知られています。連続強化(毎回強化)で学習した行動は消去されやすいのに対し、部分強化(時々だけ強化)で学習した行動は強い消去抵抗を示します。これは日常の宝くじやスロットマシンが止められない理由です。
3. 強化スケジュールでは強化の比率や時間間隔が操作される。
✅ 正しい。強化スケジュール(比率スケジュール・間隔スケジュール)は、行動の頻度や時間経過に基づいて強化を与える方式であり、その比率や間隔は実験者が操作可能です。
4. 観察学習では観察者自身が強化子を受けなくても学習が成立する。
✅ 正しい。バンデューラの社会的学習理論の核です。観察者が直接強化を受けなくても、モデルが強化されるのを見たり(代理強化)、自分で行動を模倣したりすることで学習が成立します。
5. 技能学習における上達は分散学習よりも集中学習の方が早い。
❌ 誤り。短期的には集中学習で上達が速いように見えますが、長期的習得と保持には「分散学習」が優位です。これを「分散効果」と呼び、認知心理学の確立した原理です。つまり、表現が逆になっています。
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【試験対策ポイント】
| 学習方法 | 短期的成績 | 長期的保持 | 活用場面 |
|---|---|---|---|
| 集中学習(massed practice) | 高い | 低い | 試験直前勉強(悪い例) |
| 分散学習(distributed practice) | 見かけ上低い | 高い | 言語療法・スキル習得(推奨) |
キーワード:
- 分散効果(spacing effect):認知心理学の最重要知識
- 保持(retention)に優れている=長期的学習効果
- STの訓練計画:分散学習の原理に基づくべき
紛らわしい点:
「短期的には集中学習で上達が速い」は本当だが、問題文は「上達は分散学習の方が早い」と言っていません。「分散学習の方が早い」という表現が誤りです。むしろ「保持・定着が良い」が正確な表現です。