第24回 言語聴覚士国家試験 第72問
言語発達障害学第24回
小学校1年生の女児。平仮名は習得した。カタカナはその時だけ覚えているが、すぐに忘れてしまう。WISC-IVの各指標の下位検査評価点は以下の通りであった。結果から今後の教科学習において困難になると考えられるのはどれか。 (図参照)
a.書字で字をきれいに書く
b.漢字を使って作文する
c.国語で文章読解問題を解く
d.意見をまとめて発表する
e.図画工作の課題を仕上げる
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — b,c,d
本問は限局性学習障害(LD)の可能性が高い児童について、WISC-Ⅳの認知プロフィールから「困難になると予想される教科学習」を判断する問題です。カタカナの習得困難と健忘は「記憶系の弱さ」を示唆しており、WISC-Ⅳの結果(具体的な評価点は図参照)と組み合わせることで、言語理解や処理速度などの特定領域の低下が教科学習のどの側面に影響するかを推論する必要があります。
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【各選択肢の解説】
a. 書字で字をきれいに書く
❌ 誤り。字の美しさ(筆圧制御・手指の微細運動)は知覚統合指標(PRI)や処理速度指標(PSI)に主に関連します。本児の困難は記憶と言語領域であり、文字形態の模写能力自体は相対的に温存される可能性が高いため、「字をきれいに書く」ことは可能と考えられます。
b. 漢字を使って作文する
✅ 正しい。漢字習得には「複雑な字形の記憶」と「多数の読み・訓の使い分け」が必須です。カタカナの習得困難と記銘力低下(図より作動記憶指標が低いと想定)から、漢字学習は著しく困難になると予測されます。さらに記憶が弱いと、習得した漢字も保持できず、作文時に字形や用法を思い出せなくなります。
c. 国語で文章読解問題を解く
✅ 正しい。文章読解には「文字の認識→短期保持→文脈理解→推論」という複合的なプロセスが必要です。作動記憶(WMI)が低いと、読みながら前文を保持する能力が低下し、長さのある文や複雑な構文の内容把握が困難になります。また言語理解指標(VCI)が低い場合、語彙や概念理解も読解を妨げます。
d. 意見をまとめて発表する
✅ 正しい。意見表現には「思考の構成→言葉の選択→順序立てた表現」が必要です。言語理解指標(VCI)や作動記憶指標(WMI)が低いと、考えをまとめ、適切な語彙で継続的に表現することが困難になります。特にカタカナなどの新語習得が弱い児童は、表現語彙も限定されやすくなります。
e. 図画工作の課題を仕上げる
❌ 誤り。図画工作は「造形的思考」「空間構成力」「手指運動」に主に依存し、言語性作動記憶や言語理解との関連が薄いです。知覚統計指標(PRI)が相対的に高ければ、むしろ図工は得意な可能性があります。字の習得困難は図工の遂行に直結しません。
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【試験対策ポイント】
限局性学習障害(LD)とWISC-Ⅳの関連付け
| 指標低下 | 学習困難の領域 | 具体例 |
|---|---|---|
| 言語理解(VCI)↓ | 語彙・概念理解・読解 | 文章理解、語彙不足、意見表現 |
| 知覚統合(PRI)↓ | 図形・空間認識・視覚的分析 | 図形認識、図工、描画 |
| 作動記憶(WMI)↓ | 複雑な情報保持・多段階処理 | 文章読解(長さのある文)、数学の筆算 |
| 処理速度(PSI)↓ | 速度が必要な課題 | 漢字テスト、計算テスト(時間制限あ