第24回 言語聴覚士国家試験 第73問
言語発達障害学第24回
TEACCHプログラムについて誤っているのはどれか。
- 1.視覚刺激に対する処理能力を活かした方法である。
- 2.活動内容と場所とを物理的に分けて構造化する。
- 3.見通しをもち行動できるようスケジュール化する。
- 4.活動の開始と終了を明確にする。
- 5.大人が子どもの行動を静かに見守る。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 大人が子どもの行動を静かに見守る。
TEACCHプログラムは自閉スペクトラム症(ASD)の支援方法で、視覚的構造化と明確な指示が核となります。5番は「見守る」という受動的対応ですが、TEACCHは大人による「能動的な支援と指導」を原則とするため誤りです。むしろ子どもが課題を理解し実行できるよう、視覚的な工夫や直接的なサポートを提供する方法です。
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【各選択肢の解説】
1. 視覚刺激に対する処理能力を活かした方法である。
✅ 正しい。TEACCHは自閉スペクトラム症の特性である「言語理解よりも視覚的理解が優位」という点を活用した支援方法の根本です。文字・絵カード・図解などの視覚支援を基本としています。
2. 活動内容と場所とを物理的に分けて構造化する。
✅ 正しい。TEACCHの「物理的構造化」の中核です。学習区域・食事区域・自由遊び区域など、場所と活動内容を明確に区分けすることで、子どもが「どこで何をするのか」を視覚的に理解できるようになります。
3. 見通しをもち行動できるようスケジュール化する。
✅ 正しい。視覚的スケジュール表(絵カード・写真・文字)を提示し、「次に何が起こるのか」を予測可能にする方法です。これにより不安が軽減され、見通しをもって行動できます。
4. 活動の開始と終了を明確にする。
✅ 正しい。タイマー・カウントダウン・視覚的フレーム(枠線)などで「いつ始まり、いつ終わるのか」を明確化します。これもTEACCHの時間的構造化です。
5. 大人が子どもの行動を静かに見守る。
❌ 誤り。TEACCHは子どもに受動的に任せるのではなく、大人が視覚的支援・段階的指導(プロンプト)・強化などを「能動的に提供」する支援方法です。見守るだけではASDの特性に対応できず、構造化された環境での指導・支援が重要とされています。
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【試験対策ポイント】
TEACCHプログラム(Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped Children)の4つの原則:
| 原則 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 視覚的構造化 | 視覚支援の活用 | 絵カード・文字・色分け |
| 物理的構造化 | 場所と活動の分離 | 専用コーナー設置 |
| 時間的構造化 | スケジュール化 | 1日の流れを視覚化 |
| タスク構造化 | 課題の細分化 | 段階的指導・プロンプト |
**重要:TEACCHは「構造化」がキーワード = 大人による「能動的な環境設定と指導」**
**よくある誤解:**
- 「自閉症児を見守る」→ ❌ TEACCHではない(無関与)
- 「視覚支援 + 明確な指示」→ ✅ TEACCHの特徴
- 「子どもの理解力に応じた段階的指導」→ ✅ TEACCHに含まれる