STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第71問

言語発達学第24回
幼児後期における音韻意識課題で最も難しいのはどれか。
  1. 1.2モーラ語の逆唱 ✓
  2. 2.2モーラ語の語尾音抽出
  3. 3.3モーラ語の語頭音抽出
  4. 4.3モーラ語の語中音抽出
  5. 5.4モーラ語の音韻分解

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 2モーラ語の逆唱 音韻意識課題の難易度は「刺激語の長さ」と「求める認知操作の複雑性」で決まります。逆唱は既存の音韻表象を心的に操作し、順序を反転させて出力する最も複雑な操作であり、幼児後期では習得が遅い課題です。単純な音抽出や分解よりも、全体を再構成して逆順に産出するプロセスが認知的負荷が大きいため、最難度となります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 2モーラ語の逆唱 ✅ 正しい。逆唱は音韻列全体を心的に保持し、順序を反転させて産出する複合的な操作が必要です。2モーラという短さでも、この操作の複雑性により幼児後期では最も習得が遅れます。 2. 2モーラ語の語尾音抽出 ❌ 誤り。音抽出は逆唱ほどの認知負荷を要しません。語尾音は文末で音韻的に目立つため、2モーラ語では相対的に容易です。 3. 3モーラ語の語頭音抽出 ❌ 誤り。語頭音は文頭で顕著であり、音抽出課題の中では比較的容易です。3モーラという長さでも、単純な抽出であれば語尾音抽出よりは難しくありません。 4. 3モーラ語の語中音抽出 ❌ 誤り。語中音は語頭・語尾より抽出が難しいですが、単なる「抽出」という限定的操作であるため、逆唱のような複合的操作とは比較にならない難度です。 5. 4モーラ語の音韻分解 ❌ 誤り。4モーラという長さで難度は高いですが、分解は既存の音列を構成要素に分割する操作で、逆唱のように「順序反転」という心的操作を加えることは求められません。 --- 【試験対策ポイント】 音韻意識課題の難易度順序(幼児後期〜学童初期) | 課題内容 | 難易度 | 習得時期の目安 | |---|---|---| | 語頭音抽出 | 易 | 4~5歳 | | 語尾音抽出 | 易 | 4~5歳 | | 音韻分解(3~4モーラ) | 中 | 5~6歳 | | 語中音抽出 | 中 | 5~6歳 | | 逆唱 | 最難 | 6~7歳以降 | 重要概念 - 逆唱=心的操作が最も複雑(順序反転+産出) - 刺激語の長さと課題難度は独立しない(2モーラの逆唱 > 4モーラの分解) - 語音抽出:語頭・語尾 > 語中(位置効果) - 音韻分解:操作性が高い方が難しい この問題の落とし穴 「4モーラ = より長い = より難しい」という単純な推論は誤り。求める操作の種類(求めるプロセスの複雑さ)が難度決定要因。
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