STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第75問

音声障害第24回
片側声帯麻痺について正しいのはどれか。 a.右側に多い b.気息性嗄声を呈す c.麻痺側声帯は萎縮する d.最長発声持続時間は延長する e.気管挿管が原因の場合は予後不良である 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — b,c 片側声帯麻痺では、気息性嗄声が特徴的に生じ、麻痺側の声帯は時間経過とともに萎縮します。これらが本問の正答となる根拠です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 右側に多い ❌ 誤り。片側声帯麻痺は「左側に圧倒的に多い」です。左反回神経が大動脈弓に巻き込まれるため、左側の発症率が高くなります。右側では迷走神経本幹の障害が必要であり、比較的稀です。 b. 気息性嗄声を呈す ✅ 正しい。片側声帯麻痺では麻痺側声帯が傍正中位で固定され、声帯の完全閉鎖ができず呼気が漏れることで気息性嗄声(breathy voice)が生じます。これは片側麻痺の最も特徴的な音声症状です。 c. 麻痺側声帯は萎縮する ✅ 正しい。麻痺側声帯は神経支配を失うため、時間経過とともに萎縮します。特に甲状披裂筋の萎縮が著しく、声帯の体積が減少して形態的に変化します。 d. 最長発声持続時間は延長する ❌ 誤り。片側声帯麻痺では呼気が漏れるため、むしろ最長発声持続時間は「短縮」します。延長することはありません。残気量は直接寄与しないという原則と異なり、本症では気漏れが効率低下を招きます。 e. 気管挿管が原因の場合は予後不良である ❌ 誤り。気管挿管による反回神経損傷は医原性損傷としては比較的予後良好で、3~6ヶ月での自然回復率が高いです。むしろ悪性腫瘍浸潤やALS等の進行性疾患による麻痺の方が予後不良です。 --- 【試験対策ポイント】 反回神経麻痺の重要知識: | 項目 | 内容 | |---|---| | 側別 | 左側 >> 右側(大動脈弓巻き込み) | | 音声症状 | 気息性嗄声・音量低下 | | 麻痺声帯位置 | 傍正中位(20~30°外転) | | 形態変化 | 萎縮(時間経過で顕著) | | 発声持続時間 | 短縮(呼気漏出) | | 原因別予後 | 医原性(良好)> 悪性腫瘍(不良) | 一側麻痺 vs 両側麻痺の症状差: - 一側:気息性嗄声・軽度の呼吸障害なし - 両側:呼吸困難が主症状・嗄声は軽微(両声帯固定)
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