第24回 言語聴覚士国家試験 第78問
器質性構音障害第24回
口蓋裂術後患者に多くみられる構音の誤りはどれか。
a.口蓋化構音
b.声門破裂音
c.側音化構音
d.省略
e.鼻咽腔構音
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b(口蓋化構音と声門破裂音)
口蓋裂術後患者では、鼻咽腔閉鎖機能の不全や術後の構音習癖により、特に**口蓋化構音**と**声門破裂音**が高頻度で出現します。口蓋化構音は歯茎音を硬口蓋で調音する代償音で、声門破裂音は鼻咽腔閉鎖不全時に口腔内で鼻漏れを防ぐための代償音です。これら2つは口蓋裂患者の構音障害の特徴的な誤りです。
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【各選択肢の解説】
a. 口蓋化構音
✅ 正しい。口蓋裂術後患者で頻出。/s/や/t/などの歯茎音を硬口蓋で調音する代償音であり、不正咬合や術後の習癖により出現しやすい。
b. 声門破裂音
✅ 正しい。鼻咽腔閉鎖不全により鼻漏れを回避するための代償音として出現。特に破裂音(/p/,/t/,/k/)で見られ、口蓋裂患者の特徴的誤りである。
c. 側音化構音
❌ 誤り。側音化構音(/l/音化)は舌側部の麻痺や運動制御不全による誤りで、口蓋裂患者の典型的症状ではない。脳性麻痺などの神経性構音障害でより多く見られる。
d. 省略
❌ 誤り。省略は音そのものを発音しない誤りで、発達途上の幼児や知的障害患者で見られやすく、口蓋裂術後患者の特異的症状ではない。
e. 鼻咽腔構音
❌ 誤り。鼻咽腔構音(咽頭音)は鼻咽腔で調音する誤りで、確かに口蓋裂患者に見られる可能性はあるが、**声門破裂音**ほど典型的ではない。また正答は「a,b」であり、eは含まれていない。
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【試験対策ポイント】
| 構音障害の誤りの種類 | 原因 | 口蓋裂患者での出現頻度 |
|---|---|---|
| 口蓋化構音 | 不正咬合・術後習癖 | **高頻度** ✅ |
| 声門破裂音 | 鼻咽腔閉鎖不全への代償 | **高頻度** ✅ |
| 鼻咽腔構音 | 鼻咽腔での調音 | 中程度(主症状ではない) |
| 側音化構音 | 舌側部の障害 | 低頻度(脳性麻痺に多い) |
| 省略 | 音の欠落 | 低頻度(発達遅延に多い) |
**口蓋裂患者の構音特徴の整理:**
- 代償音:声門破裂音>鼻咽腔構音(鼻漏れ回避のための代償)
- 歯音変化:口蓋化構音(歯茎音→硬口蓋)
- 鼻漏れ:開鼻声+鼻咽腔構音
- 正答除外法:側音化(脳性麻痺)、省略(発達遅延)は口蓋裂の特異症状ではない