STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第79問

運動障害性構音障害第24回
舌半側切除後に明瞭度が低下する音はどれか。 a.[a] b.[h] c.[k] d.[t] e.[Φ] 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — c,d 舌半側切除は舌の運動機能を直接損傷するため、舌の位置付けと形態制御が必要な音が特に影響を受けます。[k]は軟口蓋への舌背接触、[t]は硬口蓋への舌尖接触という、舌の精密な位置制御が必須の音であり、舌半側切除により明瞭度が顕著に低下します。 --- 【各選択肢の解説】 a. [a] ❌ 誤り。[a]は開口音で舌の位置付けが最小限で済み、舌の動きに依存性が低い音です。舌半側切除によっても共鳴特性の変化は軽微で、明瞭度低下は顕著ではありません。 b. [h] ❌ 誤り。[h]は咽頭での摩擦音であり、舌の精密な位置制御を必要としません。舌切除の影響をほぼ受けない音です。 c. [k] ✅ 正しい。[k]は舌背(velum/軟口蓋との接触部位)を用いた閉鎖音です。舌半側切除により舌背の形態が非対称になり、軟口蓋への接触点の制御が困難になり、著しく明瞭度が低下します。 d. [t] ✅ 正しい。[t]は舌尖を硬口蓋に接触させる歯茎音です。舌尖の精密な位置付けと接触面積の制御が重要であり、舌半側切除により舌尖の動きが制限されるため、明瞭度が顕著に低下します。 e. [Φ](無声両唇摩擦音) ❌ 誤り。[Φ]は両唇間の狭窄による摩擦音で、舌の関与が極めて少ないです。舌半側切除による影響は最小限です。(日本語では一般的でない音ですが、舌非依存の原理から明瞭度低下なし) --- 【試験対策ポイント】 舌の部位別機能と音への影響 | 舌の部位 | 関連音 | 舌半側切除時の影響 | |---|---|---| | 舌尖(Tip) | [t][d][n][l] | 著しく低下 | | 舌背(Dorsum) | [k][g][ŋ] | 著しく低下 | | 舌面(Blade) | [s][z][ʃ][ʒ] | 中程度~著しく低下 | | 舌根(Root) | [ʌ][ɑ] | 軽度 | | 非関与 | [h][p][b][m][f][v] | 低下なし~軽度 | 舌切除による構音障害の特徴 - 影響大:舌尖・舌背を要する「閉鎖音」「歯茎音」 - 影響小:両唇音・咽頭音・開口音(舌位置付けが不要) - [a]:最も開いた母音で舌位置制御が最小限 - [h]:舌使用なし、咽頭の気流音 出題パターン 舌の疾患(切除・萎縮・麻痺)では「[t][d][k][g]の明瞭度低下」がほぼ必出
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