第25回 言語聴覚士国家試験 第110問
リハ医学第25回
呼吸リハビリテーションについて誤っているのはどれか
- 1.呼吸困難感を軽減させる
- 2.運動耐用能を改善させる
- 3.下肢運動トレーニングが有効である
- 4.体位ドレナージの際は痰の貯留部位を上にする
- 5.スクイージング(呼吸介助)では呼気時に胸郭を圧迫する ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — スクイージング(呼吸介助)では呼気時に胸郭を圧迫する
スクイージングは吸気時に胸郭を圧迫して換気量を増加させる介助手技です。5番は「呼気時に圧迫する」と述べており、これは逆です。正確には、吸気時(患者が息を吸う時)に圧迫を加え、その後解放することで肋間筋や腹筋の伸張反射を利用して呼気を促進します。
---
【各選択肢の解説】
1. 呼吸困難感を軽減させる
✅ 正しい。呼吸リハビリテーションの主要な目的の一つです。坐位・半坐位などの体位工夫、呼吸パターン訓練、精神的支援により呼吸困難感は軽減されます。
2. 運動耐用能を改善させる
✅ 正しい。下肢運動トレーニング、全身運動耐用能訓練により酸素摂取能力が向上し、運動時の呼吸困難が軽減され耐用能が改善されます。
3. 下肢運動トレーニングが有効である
✅ 正しい。COPD患者などで下肢の筋力・耐用能が低下しているため、下肢運動(エルゴメータ、歩行訓練)は呼吸リハにおいて重要な要素です。
4. 体位ドレナージの際は痰の貯留部位を上にする
✅ 正しい。体位ドレナージでは重力を利用して中枢気道へ痰を移動させるため、貯留部位を高位(上)に設定して、末梢から中枢への移動を促進します。
5. スクイージング(呼吸介助)では呼気時に胸郭を圧迫する
❌ 誤り。スクイージングは吸気時に胸郭を圧迫して換気量を増加させます。吸気時の圧迫により肋間筋の伸張がもたらされ、その後の解放時に伸張反射によって呼気が促進される仕組みです。呼気時の圧迫ではこの効果は得られません。
---
【試験対策ポイント】
呼吸リハビリテーション主要手技の分類
| 手技 | 実施タイミング | 目的 |
|---|---|---|
| スクイージング | 吸気時に圧迫 | 換気量増加・肋間筋伸張反射 |
| 体位ドレナージ | 重力利用(痰の部位を上に) | 痰の排出促進 |
| バイブレーション | 呼気時に振動付与 | 痰の可動性向上 |
| パーカッション | リズミカルな叩打 | 痰の緩和・排出促進 |
呼吸リハの目的(4点セット)
- 呼吸困難感の軽減
- 運動耐用能の改善
- 痰の排出促進
- QOL・ADL向上
吸気と呼気のタイミングの違い
- スクイージング:吸気時圧迫
- バイブレーション:呼気時振動
【頻出ポイント】
この問題は「呼吸介助手技のタイミング」という基本的で重要な概念を問うています。ST国試では技術的詳細(いつ何をするか)が強く出題されるため、各手技のメカニズムと実施タイミングを明確に区別することが重要です。