第25回 言語聴覚士国家試験 第111問
臨床歯科医学/口腔外科学第25回
歯根膜炎の波及による副鼻腔炎の好発部位はどれか
- 1.前頭洞
- 2.上顎洞 ✓
- 3.蝶形骨洞
- 4.前部篩骨洞
- 5.後部篩骨洞
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 上顎洞
歯根膜炎は上顎歯根部に炎症が波及しやすく、特に上顎臼歯の根尖部が上顎洞底部と解剖学的に最も近接しているため、炎症が上顎洞に波及しやすいです。上顎洞は副鼻腔の中で最も大きく、歯性感染による副鼻腔炎の約90%を占めます。
---
【各選択肢の解説】
1. 前頭洞
❌ 誤り。前頭洞は前額部に位置し、上顎歯根膜炎の波及経路から最も遠い副鼻腔です。歯性感染によって前頭洞炎が生じることは極めて稀です。
2. 上顎洞
✅ 正しい。上顎臼歯(特に第1・第2臼歯)の根尖部は上顎洞底部と隣接しており、歯根膜炎の炎症が容易に波及します。歯性感染による副鼻腔炎の大多数を占める好発部位です。
3. 蝶形骨洞
❌ 誤り。蝶形骨洞は後頭部深部に位置し、上顎歯根膜炎からの直接波及はまれです。位置的に隔たりが大きく、上顎領域の感染源から離れています。
4. 前部篩骨洞
❌ 誤り。篩骨洞は眼窩内側に位置し、上顎臼歯部からの直接波及経路ではありません。歯性感染による篩骨洞炎は非常に稀です。
5. 後部篩骨洞
❌ 誤り。後部篩骨洞はさらに後方に位置し、上顎臼歯の根尖部からの波及はほぼ不可能です。歯性感染の対象外といえます。
---
【試験対策ポイント】
上顎洞と歯根膜炎の解剖学的関係:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 好発部位 | 上顎臼歯(第1・第2臼歯)根尖部 |
| 波及経路 | 上顎洞底部との隣接 |
| 頻度 | 歯性副鼻腔炎の約90% |
| 臨床症状 | 片側性頬部痛・腫脹・膿性分泌物 |
重要事項:
- 「歯性副鼻腔炎」の圧倒的大多数は上顎洞由来
- 他の副鼻腔(前頭洞・蝶形骨洞・篩骨洞)への波及は極めて稀
- 診断には口腔内所見(歯の診査)と影像検査(CT)の併用が重要