STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第126問

認知心理学第25回
ジェームズーランゲ説が主張するのはどれか
  1. 1.基本的情動を示す表情は文化を超えての普遍的である
  2. 2.主観的情動の質と強さには状況の認知的評価が影響する
  3. 3.ある対象に高頻度で接触するとその対象への好意が増す
  4. 4.主観的な情動体験の起源は環境に対する身体的反応である ✓
  5. 5.人は知識の間に不協和があるとそれを低減させようとする

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 主観的な情動体験の起源は環境に対する身体的反応である ジェームズ=ランゲ説は、情動の生成メカニズムについて「身体的反応が先行し、その反応を脳が認知することで主観的な情動体験が生じる」と主張しています。つまり、悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい、という因果関係を提唱しており、身体的反応を情動体験の起源と位置づけています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 基本的情動を示す表情は文化を超えての普遍的である ❌ 誤り。これはポール・エクマンの「基本情動説」です。表情の普遍性は、ジェームズ=ランゲ説ではなく、異文化研究による別の理論です。 2. 主観的情動の質と強さには状況の認知的評価が影響する ❌ 誤り。これはリチャード・ラザルスの「認知評価説」です。認知的評価が情動を生じさせるとする理論であり、ジェームズ=ランゲ説の身体的反応重視とは異なります。 3. ある対象に高頻度で接触するとその対象への好意が増す ❌ 誤り。これは「単純接触効果」(ザイオンス効果)です。認知心理学の古典的知見ですが、ジェームズ=ランゲ説とは無関係です。 4. 主観的な情動体験の起源は環境に対する身体的反応である ✅ 正しい。ジェームズ=ランゲ説の核です。身体的な生理反応(心拍数増加、涙など)が脳で感知されることで、初めて情動という心的経験が成立するとしています。 5. 人は知識の間に不協和があるとそれを低減させようとする ❌ 誤り。これはレオン・フェスティンガーの「認知的不協和理論」です。社会心理学における矛盾解消のメカニズムを説明しており、ジェームズ=ランゲ説とは別の理論体系です。 --- 【試験対策ポイント】 | 情動理論 | 提唱者 | 基本概念 | |---|---|---| | ジェームズ=ランゲ説 | W.ジェームズ、C.ランゲ | 身体反応→情動体験(生理が先行) | | 認知評価説 | R.ラザルス | 状況の認知的評価→情動(思考が先行) | | 基本情動説 | P.エクマン | 基本情動は普遍的(表情の共通性) | | 認知的不協和理論 | L.フェスティンガー | 矛盾低減のための態度変容 | | 単純接触効果 | R.B.ザイオンス | 接触頻度→好意増加 | 重要な区別: - ジェームズ=ランゲ説は「生理的反応が主観的体験を生じさせる」という唯一無二の立場 - 認知評価説とは対立:評価が先か身体反応が先かの違い - 表情の普遍性(選択肢1)は、身体反応の理論とは独立した論点
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